繭の中の街

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繭の中の街

  • 著者名:宇野碧【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 双葉社(2024/03発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/27)
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  • ISBN:9784575247190

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内容説明

歴史の中で多くの出会いを見届けてきた神戸の街を舞台に、様々な形の出会いと別れを描く傑作短編集。ある時は運命的な男女の出会いを、ある時は破滅的でさえある恋を、またある時はパラレルに存在する神戸での不思議な邂逅を描く。読後感も、時にはジャンルさえも全く異なる独立した物語である一方で、それらは確かな繋がりを持ち、それぞれに響き合って作品世界を美しく彩る。読み終わった後、必ず誰かと語り合い、分かち合いたくなるような魅力に溢れた1冊。

『エデンの102号室』
大学受験に失敗し、モラトリアムに生きる布珠は、異人坂でどこか浮世離れした男性、シンと出会う。博識な彼に日に日に惹かれていく布珠は、ある日、シンの部屋で書きかけの神話を見つける。

『let’s get lost』
目まぐるしく変わっていく、どこかで見たような視界。あるいはどこかで聴いたような世界。そのなかでかつてあった大切な存在について想いを馳せる、一人の男性の物語。

『つめたいふともも』
就活に苦戦する大学生の明彦は、兄の知り合いである美羽という女性と偶然知り合う。磊落な美羽に心の癒しを得る明彦だが、やがて彼女に隠された重大な秘密を知ることになる。

『赤い恐竜と白いアトリエ』
ガントリークレーンの操縦士である左巴は、刹那的で衝動的な生き方をしている。そして、彼女の働く会社の傍のコンテナには、ただ白い絵を描き続ける一人の画家が棲んでいた。

『秋の午後、神様と』
九歳の「わたし」は、さびれた神社で覇気のない神様と出会う。

『プロフィール』
かつて地上に棲む人間と分かたれた、翼を持つ一つ目の種族が存在する世界で、港湾労働者として苦役する足守大地は彼のプロフィールに興味を持った一人の≪一つ目≫と邂逅する。

『待ち合わせの五分前(おわりとはじまりの詩)』
初めて出会う相手との待ち合わせに向かう五分前を、街が見守っている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぼっちゃん

55
WAY書店員イチ推し作品ということで読んだ。様々な出会いと別れを描いた作品集7編。ファンタジーというか少し不思議な物語が多かったが、一番現実に近い就職に苦戦する男子学生が気功のインストラクターに恋をする『つめたいふともも』が良かったです。2024/05/12

konoha

53
神戸を舞台に幻想的な雰囲気の中にも人間の業のようなものが描かれる。若い時に誰もが通り過ぎる痛み。それが鮮烈でヒリヒリとした気持ちになるが、読後感は淡く切ない。繭のような部屋に住む男性に恋をする「エデンの102号室」は神戸の歴史を紐解くミステリアスな恋愛小説。「つめたいふともも」の美羽と祐介、「赤い恐竜と白いアトリエ」の左巴の生々しいエネルギーが圧巻。「プロフィール」はSFっぽく哲学的。一つ目の女性が労働者の大地と出会い、言葉を覚えていくやりとりが良い。こんなに気持ちを動かされた本は久しぶり。2024/04/20

もぐもぐ

52
宇野さんまた雰囲気をガラッと変えてきた。神戸を舞台にした短編集。出会いと別れ、失った人・去っていった人への郷愁を感じる話が多かった。「エデンの102号室」はとっても切なかったし、「つめたいふともも」の心象描写も好き。これだけ毎本作風変えてくると、次はどんな感じで来るのか楽しみになります😊2024/07/10

星群

50
宇野さん、3作目。新境地開拓に挑戦したのかな。厳しめに言わせてもらうと、ぼんやりとした不思議が掴めなく、最後1割は走り読みしてしまった。色々詰め込み過ぎた感があるかな。2024/05/07

まる

44
宇野碧さん3冊目。「レペゼン母」がキレッキレに良かったので、「キッチン・セラピー」に続き本作も。今回も更またとれまでとまったく雰囲気が異なる作品。  神戸を舞台に出会いや別れをファンタジーでくるんだ静謐感がある中短編集。どこか刹那的な匂いが神戸の坂道をふわふわと昇っていく感じ。  きっと宇野さんはこういう作品を描きたいのだろうなと思う。私にはハードルが高い作品だったけれど、「つめたいふともも」は比較的わかりやすく若い主人公の揺らめく心情が目に浮かぶよう。 2024/06/09

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