母からもらった腎臓 - 生体臓器移植を経験した記者が見たこと、考えたこと

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母からもらった腎臓 - 生体臓器移植を経験した記者が見たこと、考えたこと

  • 著者名:倉岡一樹
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 毎日新聞出版(2024/03発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620328027

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内容説明

「命をつなぐ」
どうしてこんなに難しいのだろう、この国では――。


臓器提供する側とされる側、それぞれの現実とは?
腎移植記者による唯一無二のルポルタージュ。
臓器移植とは、重い病気や事故などにより臓器の機能が低下した人に、他者の健康な臓器と取り替えて機能を回復させる医療である。第三者の善意による臓器の提供、そして社会の理解と支援があって成り立つ。

末期腎不全を患った筆者は2019年夏、母親からの生体腎移植を受けた。死の淵をも垣間見た壮絶な闘病の日々を克明に綴る。さらに、移植を待つ患者と家族、臓器を提供したドナーの家族、医療関係者ら多くの識者を綿密に取材し、日本でタブー視されることの多かった臓器移植の実態をルポ。

日本では約1万6000人が臓器移植を待つ一方、脳死下と心停止下を合わせた臓器提供数は年間100例程度にとどまる。2023年には150例まで増えたが、まだ低調と言わざるを得ない。臓器提供できる病院が限られるなど体制が整わないことをはじめ、いくつかの理由があるからだ。そのため、待機年数は長期化の一途をたどっている。

待っている間に病状が悪化し、命を落とす人も少なくない。国内で提供が受けられず海外渡航して臓器移植を受ける場合、手術費や入院費、専用機のチャーター費などを合わせると数億円が必要となる。

なぜ日本では臓器提供・移植医療が進まないのか。今後に向けて何が求められるのか。臓器移植に対する理解が深まり、「助かる命を救えない現状」を打破する一助となる渾身の書。

目次

第1章 悪化する一方の腎機能、生体腎移植を決心するまで
第2章 母の腎臓を移植、生きる意味を見出す
第3章 脳死心臓移植ルポ――レシピエントとドナー家族の葛藤
第4章 小児心臓移植ルポ――子どもの命に向き合う親の悲壮な覚悟
第5章 移植の現状と課題――識者インタビュー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

多津子

5
お母様から腎臓を生体移植してもらった著者。健康な人の臓器をもらうこと、亡くなった方からの臓器提供を受ける難しさなど、新聞記者ならではの目線と筆力で綴られている。また、他の臓器を提供された方、家族の臓器を提供した方など双方からの取材があるのもわかりやすい。一番の問題は国内の臓器提供の少なさ。単に世間の認識が薄いだけでなく、保険証などで意思表示をしていても、行える病院の少ないのも問題だ。2024/04/29

Humbaba

2
大切なものは、それを失ったときに実感できる。ただし、実感した時には対応が難しくなっていることも少なくない。体調が悪いとしてもそれが致命的なものと思うのは稀であり、また、実際に致命的であるというケースはそれほど多くはない。しかし、多くないということと自分に降りかからないということはイコールではなく、だからこそまさか自分が、という言葉がよく口にされる。そうならないようにするためにも、備えをしておくことも必要となる。2024/11/06

のん

1
腎臓移植のことがよく理解できるよう事細かに書かれた一冊でした。健康に胡座をかかず「内部障害」の人たちへの理解を広めていきたいと思いました。2024/07/31

ちくりん

0
「私は臓器移植を、血の通った温かな医療だと確信している。」2024/06/27

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