内容説明
戦国武将にして剣聖が辿った艱難辛苦の道。
上泉信綱は剣槍を縦横無尽に振るっていた。
相模国小田原城主・北条氏康の機略により、武蔵河越城を落とし損ねた関東管領・山内上杉家憲政と扇ガ谷上杉家朝定、関東公方・足利晴氏の連合軍を救うため、一騎当千の働きをせねばならぬのだ。
しかし、獅子奮迅の活躍虚しく、主君である上野国箕輪城主長野業政の嫡男・吉業は護りきれなかった。
肩を落とす信綱に、業政は無能な関東管領を見限るという。
甲斐国躑躅ヶ崎館・武田晴信の誘いにもなびかず、我が道を行く主君に仕える信綱だったが、ついに業政の命運が尽きてしまう。
信綱は「兵法を極めよ」という業政の遺言を成し遂げるべく、弟子の疋田文五郎、神後宗治とともに諸国修業の旅に出る決意を固めることに。
出立後、信濃国諏訪大社で奉納演武してからというもの、長坂釣閑斎をはじめ、諏訪四郎左衛門、武田晴信、小山田信茂らが、兵法家として名高い信綱を引き留めては策を弄してくる。
なんとか魔手を振り切り、常陸国へ向かう一行。
ようやく辿り着いた、武の神を祀る鹿島神宮を詣でていると、なんと剣聖・塚原卜伝が現れた。
教えを乞う信綱に卜伝は……。
戦国武将剣豪ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
onasu
13
兵法と剣技を兼ね備えた新陰流の創始者・上泉伊勢守信綱。 前半は上州で領地を追われた信綱が、知将・長野業政に拾われて、関東管領・山内上杉の旗下、河越城を囲んでいたところから(河越夜戦)。その敗戦以後、状況は好転しないが、業政は信綱を頼みに奮闘するも寿命が…。業政は遺言で信綱を家中に留めず、宿願の兵法を極める廻国修行へ。 後半は甲斐では武田晴信、鹿島では塚原卜伝と、各地での邂逅も快調。武田と敵対する側からの話しにも興味をそそられたし、続きにも期待したいが、冒頭の今川家当主の誤植は、大手出版社とは思えない。2024/12/12
フク
13
#読了 新陰流の創始者である上泉信綱の前半生を描く。 チャンバラシーンに期待していたが、信綱が強すぎるて歯応えが足りない。強敵求む。 剣聖スペシャル対談は胸が熱くなった。 図書館2024/09/11
みやきよ
2
上泉信綱の小説に外れなし。やはりこちらも面白い。長野に仕えている頃から話が始まるのが、またいい。続きが楽しみだ2024/08/18
wang
1
柳生宗厳の師匠で新陰流の創始者、上泉信綱の剣術家としての人生を辿る小説。この人のことを知らなかったので随分地味な人を主役にすると思っていたが、剣術修行に出たあたりから秀でた人材であることが見え始める。上野の小大名に臣従する国人である頃の人柄を示すエピソード部分が長くてバランス悪いなと思っていたら、第一部であったか。人格的には既に完成しているようだが、ここから剣術の腕前がどう磨かれるのか。それとも柳生との関係が中心になるのか。2024/08/08
matsu0310
1
☆☆ここまでは全くフツー2024/06/15
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