都市に侵入する獣たち - クマ、シカ、コウモリとつくる都市生態系

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都市に侵入する獣たち - クマ、シカ、コウモリとつくる都市生態系

  • ISBN:9784806716624

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内容説明

【日本でも街中に出没するクマが話題になっている今、非常にタイムリーな1冊】

『スミソニアン・マガジン』の2022年お気に入り本に選出!
都市はいかにして野生動物たちにとって魅力的な住みかとなったのか?

道を横切る二足歩行のクマ、
巣のライブ配信中に子猫を獲ってきてヒナに与えるワシ、
動物園のコアラを連れ去ったピューマ――。

リスやコウモリなどの小型動物から大型猛獣まで、
人工的なものの象徴である都市が
思いがけず野生動物を引き寄せることになった理由を歴史的に振り返り、
駆除か保護かの二元論ではない共生への道を探る。

目次

まえがき──あるボブキャットとの出合い

序論 猛獣たちのいるところは、今
都市生態系をめぐる2つの立場
「都市」「野生生物」の定義と本書の主役

第1章 都市は生命あふれる場所にこそつくられた
地理的な特徴
都市の発展と生態系へのダメージ

第2章 家畜が都市を支配していた時代
うろつく家畜
汚物と病気
家畜の追放と都市の浄化

第3章 都市の緑が野生生物を繁栄させた
野生生物抜きの都市計画
公園・街路樹・保護区の出現

第4章 郊外の成長と狩猟の衰退がもたらしたもの
都市と野生の境界
都市化に伴うハンターの急減
増えすぎた個体数

第5章 生息地を保全する
小さな鳥のための広大な土地
オープンスペース・ネットワークの形成
政策の変化と保護法の制定
見捨てられた土地の再生
保護の恩恵

第6章 都市で成功する動物
新しい生態系
都市とその周辺で見られる動物の分類
出没動物への過剰な反応
都市で子育てするコヨーテ

第7章 大型獣と生息地を共有するということ
害獣から愛すべきキャラクターへ
都会のクマ
国立公園での餌付けと食物管理
殺さずに対処する
新たな倫理観の構築

第8章 都市の生態学的な価値
都市生態学の萌芽と成長
群がるワシ

第9章 動物のための道
P-22の足跡
移動の障壁
分断を解消する
都市の食物網
ゴミをあさる者たち
捕食者のパラドックス
袋小路の都市と遺伝的多様性の欠如

第10章 不快生物を理解する
コウモリの生態
コウモリに対する誤解
動物由来感染症を正しく理解する
コウモリよりも危険なもの
コウモリであるということ

第11章 動物たちがいるべき場所
棲み着いた外来種
外来動物ブームと脱走
動物園にやってくるもの
クリニックの存在意義
最も効果的な行動にコストをかける
飼育下と野生の線引

第12章 駆除 時間とコストが永続的にかかり、暴力的で効果がなく、根本的原因を解決するより新たな問題をつくり出す野生生物管理の形態の正当性が疑われている
駆除の歴史
殺すと状況が悪化することもある
殺鼠剤による巻き添え被害と非致死的アプローチの難しさ
賢明な解決策を目指して

第13章 都市と共進化する生き物たち
イエスズメの急速な進化
進化と適応
生態系の寡占化と生物多様性の低下
変わりつづける都市で

第14章 都会の野生をいつくしむ
「魚泥棒」
アシカ追い払い作戦
共生のための課題
明るいニュース
求められるリーダーシップと連携
野生生物と共存するには

おわりに──コマツグミの巣が教えてくれたこと
より良い社会にするために

謝辞
訳者あとがき
参考文献
原註
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はやたろう

13
アメリカの都市部に野生動物が戻ってきている、その意味、リスク、引き起こされる軋轢、課題について。かつて暮らしていたや生き物たちを追い出し、殺し、駆逐してきた人間の身勝手さしか感じない。自然保護だ、生き物の暮らしを守れだの、どの口が言ってんだ!ってちょっとエキサイトしてきそうなことだらけ。とはいえ人間と動物がうまく共存できればそれに越したことはない。2024/05/24

おさと

7
「駆除か保護かの二元論ではない共生への道を探る」に惹かれて読んでみたけれど、んー、やっぱり、訳文は読みにくい…。事例がたくさん載っていたので、そこから自分で考えろってことかな…。2024/04/18

takao

5
ふむ2024/08/15

ふのりけちょ

3
現在、日本でも同じような状況に立たされているように、都市と動物との関わりについて非常に示唆に富む本。紹介されている関連本や各章の中心となる人物・文献も豊富でありがたい。 一方で著者の文の組み立て方の影響もあるのかもしれないが、訳がひどすぎて、意味がよくわからない文章や、まるで自動翻訳をそのまま掲載したような文章が目立つ。研究者の方が訳すより、本職の翻訳家が訳して、研究者が監修した方が良かったのではないか。2025/05/02

牙魔

3
クマの被害が多い日本にも何か関連するかと思って読みましたが、アメリカはちょっと事情が違うようで。あちらの大都市は自然に囲まれているという印象があるが、実はまったくの人工地帯から作られたものが多いことに驚き。色々な事象を取り上げているが、イマイチ著者の狙いが分からなかった。更に、全体的に読みにくいと思っていたら、訳者4名はすべて学者さんで、プロの翻訳者じゃなかった。誤訳っぽい所もチラホラ。2024/07/22

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