中国の新聞管理制度 - 商業紙はいかに共産党の権力を受け入れたのか

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中国の新聞管理制度 - 商業紙はいかに共産党の権力を受け入れたのか

  • 著者名:工藤文
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  • 勁草書房(2024/04発売)
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  • ISBN:9784326303434

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内容説明

中国では改革開放によって新聞の商業化が進んだのに、商業紙は中国共産党を批判するのではなく、支持し続けている。本書は主管・主ハン単位制度という政策に着目することで、中国共産党による新聞管理のメカニズムを明らかにし、権威主義国における市場と権力の結び付きをも浮かび上がらせる。

目次

はしがき
用語の説明

序章 「党がメディアを管理する原則」の虚実
 1 本書の目的と問題意識
 2 先行研究が論じてきたこと
 3 本書のアプローチと独自性
 4 分析対象と手法
 5 本書の位置づけと意義
 6 本書の構成

第1章 中国のマス・コミュニケーションを研究する視点
 1 非民主主義国家を対象にした研究
 2 コミュニケーションの批判的政治経済学
 3 本書の分析枠組み―制度を通じた資源の配分による統制

第2章 商業化が党の新聞管理に与えた変化
 1 民間資本の排除と党の管理への一元化
 2 行政管理の復活とメディア・グループ化
 3 17号文献の制定による資本政策の転換
 4 新聞の所有者は誰か

第3章 主管・主弁単位制度の形成過程と構造
 1 管理主体の明確化(1950年代)
 2 制度の法規化(1980年代から2000年まで)
 3 制度の維持と非公有資本の包摂(2001年から)
 4 70年間にわたる制度の発展

第4章 『新民晩報』にみる党と新聞のパトロン・クライアント関係
 1 上海『新民報』に対する国有資本の投入と党への従属
 2 『新民晩報』の自立とその制限
 3 上海報業集団におけるパトロン・クライアント関係
 4 党と新聞の関係を決定づける主管・主弁単位制度

第5章 『新京報』にみる主管・主弁単位の影響
 1 自己検閲とは何か
 2 フレーミング論と操作仮説の導出
 3 『新京報』『南方都市報』の汚職報道に対する量的テキスト分析
 4 報道フレームの変化に対する重回帰分析
 5 『新京報』は何を報じなかったか

第6章 『新民晩報』自立化の検証
 1 新聞のクレジットを用いた内容分析
 2 1946年から2016年までのクレジットの変化
 3 二元的な報道体制―党の宣伝と娯楽化

終章 党の支配を正統化する商業紙
 1 分析結果のまとめ
 2 党の支配を正統化するメカニズム
 3 本書の限界と今後の研究課題

補遺1 出版単位の主弁単位と主管単位の職責に関する暫定規定
補遺2 量的テキスト分析の手続き詳細
補遺3 第6章データ詳細

あとがき
引用・参照文献
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

65
商業化が進んでも中国のメディアが自由化しないのはなぜかを考える本。党の新聞政策の変遷や新聞との関係を追いながら、中国では新聞ごとに管理機関を置き、行政ランクに応じて取材時の特権などを提供する体制により新聞の自立化を制限してきたこと、新聞の側はパトロンである党に関する問題を争点化させず政治問題については党の公式見解(新華社報道)を使用する無批判状態に陥っていることが示されます。結論には思うところもあるのですが、メディアの役割や権力がメディアを取り込む構造についてなど様々な問題を孕んでいて興味深く読みました。2025/07/18

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