ちくま文庫<br> 京都食堂探究

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ちくま文庫
京都食堂探究

  • 著者名:加藤政洋【著者】/〈味覚地図〉研究会【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2024/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480439208

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内容説明

きつねうどん、しっぽく、けいらん、のっぺい、ちゃんぽん、衣笠丼、木の葉丼、カレー丼……京都の食堂は歴史の中で、「麺類・丼物」を中心にして独自の発展を遂げてきた。うどんも丼物も中華もある京都食堂の魅力とは? 食いしん坊の地理学者たちが店に足を運び、味わい、観察し、文献を渉猟して、謎多き京都食堂文化に迫る。待望の研究書が、文庫書き下ろしで、ついに登場。

目次

はしがき
西陣のうどん屋から
寿司、カレーライス、もち
本書のメニゥ
第1章 上方〈 〉問答──諸説覚書
1 「きつね」は「けつね」か
「このうどんはたまらねえ」
「まったり」として……
断じて、きつね
エンタツ・アチャコの回想
2 「きつね」か「たぬき」か
「めしのお菜」
「大阪にそんなもんはない!」
「うどんですか、そばですか?」
たぬきは一枚上手
3 「きつね」は化ける
(仮想)小林カツ代の驚き
謎の狐蕎麦
4 油揚げの魅力
油の臭み
惑いの〈 〉問答
第2章 〈しっぽく〉の美学
1 京都のうどんには○○がのっています
華麗なる上おき
薄くて小さい○○
2 卓袱から〈志津ぽく〉へ
《下河原》の卓袱料理
「京坂の温飩屋」と「江戸の蕎麦屋」
江戸 界の下剋上
異風か異称か
「おかめ」のような
3 にゅうめんの正体
玉子焼き幻想
むかしのメニゥ
土鍋の真ん中に
「にゅうめん」は夏の味覚か
4 〈しっぽく〉鍋のミッシングリンク
「長崎ちゃんぽん」鍋の謎
「うどんのすき焼き」
ベトベトの蕎麦
〝エンタツ〟鍋
「芳香炉」をめぐる語り
食堂の「しっぽく鍋」
第3章 なにを「とじる」か
1 謎かけ丼
丼物の名前
「親子」と「他人」
どちらをとじるか?
玉子で蓋をする
2 〈 ・丼〉問答
丼物の「都鄙問答」
しっぽくの変態
3 とじなくても美味しいんです
ねぎの切り方
食堂でお月見を
4 「あんかけ」をご存じですか?
出汁を食べる
それは玉子とじなのか?
「たぬき」にあらず
夏の涼味
のっぺいの謎
第4章 食堂と町中華の不思議
1 どこでも〈中華そば〉
スバといなり
かまぼこはあるやなしや
2 〈ちゃんぽん〉とりどり
丼のなかの別世界
昭和京都の「チヤンポン丼」
長崎憧憬
〈中華〉と〈和風〉
3 〈あんかけ〉の都
[龍鳳]の品書き
町中華のチャンポン 
魅惑の白
〈けいらん〉系中華
カレー丼の正体
4 台を替える愉しみ
「そばだいで」
うどん出汁の中華 
「キーシマ」と「中はく」
京料理のような
「台ぬき」のいろいろ
空飛ぶマダムの後口直し
「玉吸い」と甘味でささやかなぜいたくを
あとがき
引用・参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

60
以前京都の町中をうろついていた時に「相生餅」という看板か張り紙を見かけてずっと疑問だったんだけど、そういう事だったのね。東京都は一風変わった関西の丼文化を紹介した一冊。きつねは共通しているけどたぬきは東京関西はおろか大阪京都でも概念が違うとか、しっぽくの変遷、ご飯の方の丼文化とか、関西の食文化がこれでもかと紹介されており読んでいてお腹が減って来る。京都でマスコミに取り上げられる店とは違い、その辺の通りにこじんまりと建っているような町食堂。読んでいるとそれらの中にこそ文化の神髄がある様に感じられるなあ。2023/12/11

さばずし2487398

30
同じ関西でも「たぬき」だけでこんなに違うのかと驚き。小林カツヨ先生の戸惑いもよく分かる。また以前から気になっていた衣笠丼の説も読めて納得と満足。その起源と仮説する伝説は何と風流というか、無茶というか、いかにも京都らしい。田舎丼の話も面白かった。この様な丼やうどんを食べに行ってもチェーン店みたいな所で食べる方が多くなってしまった昨今。個人経営の街のお店でじっくり「台」の上の具と名前を観察してみたくなるが、その様なお店は後継問題などで減少しつつあるのは、食文化面から見て大きな損失だと危機感も感じた。2024/07/15

たっきー

12
京都の食堂文化についての解説本。関東と関西で麺や丼のきつね、たぬきの定義が違うのは意識していたが、大阪と京都でも意味が違っているのは、意識していなかったけれど言われてみれば…というところで面白かった。これを読んでいて、しばらく食べていなかったしっぽくうどんとあんかけうどん、木の葉丼が食べたくなった。2023/12/30

MASA123

11
文庫本の裏カバーを見ると・・・食いしん坊の地理学者たちが店に足を運び、味わい、観察し、文献を渉猟して、謎多き京都食堂文化に迫る。待望の研究書が、文庫書下ろしで、ついに登場・・・とある。 自分も間違えたが、本書は、京都の食文化研究ではなくて、食堂文化研究である。彼らが味わったのは「京料理」ではなくて「京都の食堂の麺類・丼物」だ。 うどんにそえる青ギの切り方(小口切り・斜め切り)を6ページにわたり説明していて、装丁イラストの「刻みうどん」の違和感がわかった。大阪の刻みうどんとはネギの切り方が違う。 2025/03/31

Naoko Takemoto

10
昨日、昼食で入ったうどん屋(茨城県)が京風をうたっており、なんと『けいらん』が置いてあったので食べた。高血圧のかげんで日頃塩分控えめを心がけているからか、やや塩辛い味わいを感じたが、細いうどんに絡むとろりとした玉子あんはああ京都・・次に行った時は『にしんうどん』にしようと心に誓う。オーバーツーリズムが問題になっている京都だが、その麺丼食堂文化は独特、かつ、庶民的。とにかく食いしん坊にはたまらない一冊。内容もよくまとまっていて筆致に嫌みがない。とりあえず、きつねとたぬきの謎はこの一冊を読めば解けます。2024/05/28

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