内容説明
「男子たるものかくあるべし」。現代社会で共有される理想の男性像は、いかに成立し、ナショナリズムの主要素となったのか。騎士道精神の継承、ギリシア的美の礼賛、体操の普及と肉体美の称揚、男性同盟と戦争、そしてナチスによるユダヤ人・同性愛者の迫害へ――。近代社会の成立から二〇世紀末までを射程に描く〈男らしさ〉の近現代史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ex libris 毒餃子
10
シンボル政治史の本、という観点で読むと面白い。「男性性」という概念が近世から段々とネーションステートになっていく中で醸成されていった感があります。ドイツを主眼して論じているためか、ユダヤ人のシンボル性についての言及もあります。当たり前かなぁ、という議論もありますが丁寧に資料を根拠にして論じていているのが良い。2024/07/21
takao
1
ふむ2024/09/19
読書家さんワタルサン
1
めっちゃ時間かかったし、あんまりぐっと入れなかった。男らしさには常に対抗的タイプが必要だと言うことがわかった。2024/06/05
Lieu
0
あるステレオタイプをいかに様々な立場の人(戦士も社会主義者も)が共有してきたかという話なので、思想的に革新的な男もジェンダー観については保守的である、という逆説は面白いが、膨大な資料をもとに延々と同じことが論じられている印象があり、その意味では意外性に乏しく退屈である。しかし世紀末のデカダンス文化に興味があれば、特に第五章だけでも読む価値はある。2024/06/27
ちり
0
さらっとだけど『ナショナリズムとセクシュアリティ』に続いてこちらでも医学(科学)の権力性についても触れられているのが、いま読むと印象に残る。変な反ワクチンとか陰謀論ではなく、医学・科学の権力性への警戒感を持つこと。2024/04/14