内容説明
離婚して一年。荒んだ生活を送っていた幸彦は、ある「学校」を紹介される。そこには様々な事情を抱える生徒たちが通っていた――。忙しすぎて“生活”が後回しになっている、大人たちへの応援歌!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
386
家事という2文字。とても、意味するものは幅広い。100人100様の捉え方があるし、時間の流れと共に変わりうる。その時々の、自分だけでなく、周囲の人の状況にも影響される。ただ、そこに気づくのかどうか、思いを向けることができるかどうか・・・なんだろう。改めて、家事の2文字を考えてみると、「家の事」。日々の暮らしに関すること。だからこそ、気づき難いし、そんなものだろうと思ってしまう。「山の上の」というのが、キーフレーズかもしれない。少し、距離(時間)を置いてみること。2024/05/19
Karl Heintz Schneider
339
妻から離婚を切り出され、男やもめになった幸彦。食事はコンビニ弁当、部屋はゴミの山。そんな彼を見かねた妹が家事学校へ行くことを勧める。そこで様々な事情を抱えた男性たちと触れ合い、幸彦の中の何かが変わってゆく。そしてそれは元妻にも伝わって「『幸彦、ちょっと変わった?』鈴菜が楽しげに笑った。 彼女がそんなふうに笑うのをひさしぶりに聞いた気がする。」男だけの料理教室は探せばあるだろうが家事全般を教えてくれる場所は少ないのではないだろうか。こんな学校があったら体験入学してみたい。ボタンのつけ方がうまくなりたいな。2024/05/21
ムーミン
338
軽いお話の中しっかり考えるべきことが存在している内容でした。2024/09/17
松本ぼんぼん
319
夫婦がいかに暮らしていくか(お互いの協力、協調の仕方)を教えてくれる物語。全ての夫はこの小説を読んだ方がいい。それ以降、妻と上手く生きていくことができるようになると思う。2024/05/21
hirokun
313
★4 家事とは生きていく上で、しないと生活の質が下がり、健康、社会生活に悪影響をもたらす。私たちの学生時代は、男子は技術家庭が必須で、女子とは授業内容が区別されていた時代。当然、社会風潮の中でも家事を軽視したような意識が強かったように思う。この作品の中では、単に家事の技術だけではなく、生活と仕事の棲み分け、バランスの再見直しについても問題提起をしている深い作品であると感じた。分かり易い文章と例示を使いながらこのようなテーマを内在した作品を創作する近藤史恵さんは素晴らしいと思う。2024/04/08
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