可換環論入門

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可換環論入門

  • 著者名:M.リード/伊藤由佳理
  • 価格 ¥4,070(本体¥3,700)
  • 岩波書店(2024/03発売)
  • ポイント 37pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000051897

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内容説明

本書の目標は代数学と幾何学の間に橋を架けることである.加群の生成元や昇鎖律といった代数の概念とともに,空間上の関数環としての可換環という幾何学的なとらえ方についても詳しく述べる.その出発点となるのが零点定理であり,多様体の幾何学とその座標環の代数に密接な関係を与える.環と体の初歩を学んだ読者に勧める.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

はじめに
訳者註
0 こんにちは!
0.1 私たちの行き先
0.2 いくつかの定義
0.3 分解に関する基本
0.4 最初の橋渡し
0.5 幾何学的側面――超曲面の場合
0.6 Z対k[X]
0.7 例
0.8 可換環の研究
0.9 この本の内容
0.10 こんな人に
0.11 必要な知識
演習問
1 基礎
1.1 約束
1.2 イデアル
1.3 素イデアルと極大イデアル,Spec Aの定義
1.4 簡単な例
1.5 例:Spec k[X,Y]とSpec Z[X]
1.6 幾何学的解釈
1.7 Zornの補題
1.8 極大イデアルの存在
1.9 たくさんの素イデアル
1.10 べき零とべき零根基
1.11 零因子について
1.12 イデアルの根基
1.13 局所環
1.14 局所環の例
1.15 べき級数環と局所環
演習問題
2 加群
2.1 加群の定義
2.2 簡単な形式化
2.3 準同型定理と同型定理
2.4 加群の生成元
2.5 例
2.6 Cayley-Hamiltonの定理
2.7 行列式のトリック
2.8 系――中山の補題
2.9 完全例
2.10 完全列の分裂
演習問題
3 Noether環
3.1 昇鎖律
3.2 Noether環
3.3 例
3.4 Noether加群
3.5 Noether加群の性質
3.6 Hilbertの基底定理
演習問題
4 環の有限次拡大とNoetherの正規化
4.1 有限A-代数,整A-代数
4.2 有限 対 整
4.3 塔法則
4.4 整閉包
4.5 非特異性と正規環(入門)
4.6 Noetherの正規化
4.7 主張の証明
4.8 Noetherの正規化の別証明
4.9 体の拡大
4.10 弱零点定理
演習問題
5 零点定理とSpec Aの幾何学
5.1 弱零点定理
5.2 k[X1,…,Xn]の極大イデアルとknの点
5.3 多様体の定義
5.4 代数的閉体でない場合
5.5 VとIの対応
5.6 零点定理
5.7 既約多様体
5.8 零点定理とSpec A
5.9 多様体上のZariski位相
5.10 多様体上のZariski位相はNoether性をもつ
5.11 既約分解
5.12 一般のSpec A上のZariski位相
5.13 Noether環のSpec A
5.14 多様体とSpec A
演習問題
6 商環S^{-1}Aと局所化
6.1 S^{-1}Aの構成
6.2 簡単な性質
6.3 AとS^{-1}Aのイデアル
6.4 局所化
6.5 商加群
6.6 S^{-1}の完全性
6.7 局所化と商の可換性
6.8 さらなる局所化
演習問題
7 準素分解
7.1 加群の台Supp M
7.2 考察
7.3 Ass Mの定義
7.4 Ass Mの性質
7.5 SuppとAssの関係
7.6 加群の分解
7.7 準素イデアルの定義
7.8 準素イデアルとAss
7.9 準素分解
7.10 準素分解についての考察
7.11 準素分解の存在
7.12 準素分解とAss(A/I)
7.13 準素イデアルと局所化
演習問題
8 DVRと正規整域
8.1 序
8.2 DVRの定義
8.3 最初の特徴付け
8.4 DVRに関する主定理
8.5 一般の付値環
8.6 一般の付値環の例
8.7 正規性は局所的条件
8.8 正規環は余次元1でDVR
8.9 幾何学的考察
8.10 DVRの共通部分
8.11 正規化の有限性
8.12 定理8.11の証明
8.13 付録:トレースと分離性
演習問題
9 さようなら!
9.1 私たちの来た道
9.2 これからの道
9.3 補足
9.4 Noether性では足りない
9.5 秋月の例
9.6 スキーム理論
9.7 抽象代数と応用代数
9.8 歴史をちょっと
9.9 代数学を教えるときの問題点
9.10 この本の書かれた背景
演習問題
参考文献
訳者あとがき
欧文索引
和文索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mft

4
具体例が多めなので抽象論だけの教科書とは違った読み応えがある。2000年に発行されたころにはまだ数論と幾何とから多面的に眺めるようなスタンスの良さが解らなかったのでスルーしていた2018/03/01

2
序章が「こんにちは!」で最終章が「さよなら!」の本である。代数学を独学で勉強したため、環についての知識が非常に曖昧であり、この分野があまり好きではないことがわかった。Zornの補題やCayley-Hamiltonの定理はある程度頭に入っているが、中山の補題やDVRなどは初見である。環Aは可換(ab=ba)で単位元1=1Aをもつことを過程し、イデアルの説明から加群やHilbertの基底定理に流れている。抽象代数などは今の段階では無理であることがわかった。2014/11/14

にしもん

0
随分昔に購入し、パラパラと読んでは諦め、を繰り返していたが、今回いちおう通読をしたので、読了ということにしようと思う。といっても証明の精読はだいぶ端折ってしまった。Atiyah & McDonald の有名な教科書をもっと易しく書いたような内容。ネーター環・正規環・DVRなど幾何学的な有限性や非特異性が環の性質に反映されることを理解するのが本書の中心的な話題だろうか。演習問題がけっこうあるので取り組むと力がつきそうだけど、解答がネットを含め見つからないので答え合わせができず厳しい。問題演習は他の本でが吉か2022/05/10

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