岩波数学叢書<br> ギンツブルクーランダウ方程式と安定性解析

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岩波数学叢書
ギンツブルクーランダウ方程式と安定性解析

  • 著者名:神保秀一/森田善久
  • 価格 ¥5,720(本体¥5,200)
  • 岩波書店(2024/03発売)
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  • ISBN:9784000075619

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内容説明

ギンツブルクとランダウは,超伝導物質中の電子や磁場の状態を,エネルギー汎関数を通じて微分方程式の解として特徴付けた.この方程式は非線形だが対称性という解析しやすい性質を併せもつ.物理的な背景にも触れつつ,非線形偏微分方程式の数学的研究の立場から方程式の解を構成,安定性など構造に関する研究成果を解説.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

目次

まえがき
記号と用語
1 序
1.1 安定解の存在――領域の形状vs位相
1.2 渦糸解について
1.3 渦糸の運動について
1.4 安定性について
1.5 磁場の効果を入れたGLモデル
1.6 秩序パラメータについて
2 1次元空間上のGinzburg-Landau方程式とその解の構造
2.1 準備
2.2 ノイマン境界条件の場合
2.3 周期境界条件の場合――解の分類
2.4 振幅変動解の楕円関数による表現
2.5 安定性
2.6 分岐構造
第2章ノート
3 ノイマン境界条件をもつGinzburg-Landau方程式
3.1 単純領域と解の安定性
3.2 円環領域と安定解
3.3 複雑な領域における非自明解の存在と安定性
3.4 非自明解の安定性
3.5 安定性不等式
3.6 領域摂動と渦糸解
第3章ノート
4 空間2次元領域における回転対称性をもつ渦糸解
4.1 無限領域と円板領域における渦糸解
4.2 振幅方程式の解構造
4.3 渦糸解の安定性:第1種境界条件の場合
4.4 無限領域における渦糸解の安定性
第4章ノート
5 第1種境界条件をもつGinzburg-Landau方程式
5.1 最小化問題と解の存在
5.2 可縮な領域上の最小化解
5.3 特異摂動と渦なし解
5.4 特異摂動における零点とエネルギー評価
5.5 零点配置と繰り込みエネルギー
第5章ノート
6 渦糸の運動
6.1 渦糸の特徴的な運動
6.2 特異点をもつ調和写像とそのエネルギー
6.3 GL方程式における渦糸の近似解と運動法則
6.4 特異極限における渦糸の運動
第6章ノート
7 超伝導におけるGinzburg-Landauモデル I
7.1 超伝導現象とGL理論
7.2 磁場の効果を入れたGLエネルギー
7.3 磁場の効果を入れたGL方程式
7.4 超伝導現象に対応する特徴的なGL方程式の解
7.5 R2におけるGL方程式と渦糸解
7.6 原点に渦糸をもつ解
7.7 任意に与えられた渦糸配置をとる解
第7章ノート
8 超伝導におけるGinzburg-Landauモデル II
8.1 GL汎関数,GL方程式,ゲージ変換の定式化
8.2 常伝導解と相転移
8.3 作用素(∇-iA_0(h))^2の性質
8.4 超伝導状態の非存在のためのパラメータの条件
8.5 超伝導電流に対応する非自明解の存在と安定性
8.6 薄い領域上のGLモデル
第8章ノート
付録 いくつかの補足と準備
A.1 関数解析からの準備
A.1(a)重要な関数空間
A.1(b)不動点定理
A.2 ベクトル解析に現れる等式,ヘルムホルツ分解
A.3 2階楕円型方程式の諸性質
A.3(a)線形方程式と解の性質
A.3(b)非線形問題と比較存在定理
A.3(c)ハートマン-ウィントナーの定理
A.4 等角写像とリーマンの写像定理
A.5 位相と写像に関する準備
A.5(a)写像度
A.5(b)被覆空間とS^1値写像の持ち上げ
A.6 補題2.10の証明
A.7 命題6.7の証明
A.8 命題8.2の証明について
参考文献
索引