日本経済新聞出版<br> トラフィッキング・データ デジタル主権をめぐる米中の攻防

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日本経済新聞出版
トラフィッキング・データ デジタル主権をめぐる米中の攻防

  • ISBN:9784296116508

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内容説明

○仕事や遺伝子情報、家庭生活、家計・消費・決済、投資、ゲーム・音楽などの娯楽、政治的志向に関わる個人のデータが、同意を得ることなく、政治的・金銭的な目的のために日常的に抽出されている。これらのデータは、米国のテック企業から中国へと移転され、中国政府はそのデータを利用し、世界中のデジタル主権を脅かしている。
〇成長を優先するあまり、米国の規制当局はデジタル主権に対して自由放任主義的アプローチをとり、不透明でしばしば略奪的なデータ収集の手法を容認してきた。中国政府は、営利目的で大衆を搾取する米国テック企業の長き伝統を足場としている。中国市場へのアクセスに依存する米国テック企業を通じて国力を増強しているのだ。
〇本書は、ユーザーのデータが商業的に抽出・移転されることによって、ユーザーの居住国・地域の法的システムの管轄外にある外国政府の国家戦略に不正に利用されることを意味する「データ・トラフィッキング」という概念を提唱。TikTokやフェイブックなどのSNSから、フォートナイトといった人気オンラインゲームを通じて、テック企業が個人データをどう収集しているのか、それが一国の安全保障をいかに脅かしているのかを明らかにする。
〇長年、豊富な調査研究を行ってきた中国メディア・情報テクノロジーのエキスパートが、中国企業・中国政府による個人データ搾取の驚くべき実態を多様な分野にわたり解き明かし、情報保護のあり方に警鐘を鳴らす。

目次

日本語版への序文
頭字語リスト
謝 辞
まえがき

第1章 データ・トラフィッキングのジレンマ

第2章 ラスベガスで起こることは中国のデータコントロールとつながっている:
    断片化された米国のテック監視

第3章 サイバー主権国への道:中国におけるデータガバナンスをめぐる政治

第4章 農場から宇宙空間まで:
中国は米国においていかに主権をネットワーク化しているか

第5章 ソーシャルメディア:
国家安全保障資産としてのアルゴリズム

第6章 ゲーム:バーチャルワールドの穴だらけの国境

第7章 マネー:データ・トラフィッキングが中国にもたらすリスク

第8章 医療・健康:国境なきバイオデータの監視

第9章 ホーム:バックドアをすり抜けるデータ

第10章 データの安定化に向けて

エピローグ

監訳者解説

訳者解説

原 注
参考文献
索 引