内容説明
第二次大戦下のロンドン。テムズ川で、鍵のかかったカメオ付きのブレスレットをつけた女性の遺体が発見された。金庫破りのエリーは、軍情報部のラムゼイ少佐の依頼でその鍵を解錠する。カメオから見つかったものと女性が毒殺されていたことから、彼女はスパイ活動にかかわっていたと判明。エリーは少佐に協力し、殺人事件の謎と、死んだ女性の背後にいると思しきドイツのスパイを探りだすことに。手がかりは、女性が隠し持っていた宝石と、小さな時計の巻き鍵だけ――。凄腕の金庫破りと堅物の青年少佐、正反対のふたりを描く人気シリーズ第2弾!/解説=大矢博子
感想・レビュー
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あひるのふせん
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緊張感のある駆け引きすらにやにやできてしまう、テレビドラマ映えしそうな楽しいバディが再び。発売したその日に買いに走ったくらい、楽しみなシリーズになっています。今作も前作から洗練されつつある、恋人のふり、部屋で二人でトランプという不思議な時間はご褒美のように存在します。わざとらしくベタなシチュエーションはあれど、ぶつかり合う様子には単純な意地の張り合い以上に互いの背景を負った厚みもあって良い。遂に実体化する戦争は、読者の二人へのにやつきも時に掻き消すほどだが、兎にも角にも続きを所望したい。すぐ続刊の邦訳を。2024/04/23