岩波新書<br> ピアノトリオ - モダンジャズへの入り口

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岩波新書
ピアノトリオ - モダンジャズへの入り口

  • 著者名:マイク・モラスキー
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 岩波書店(2024/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004320128

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内容説明

日本のジャズレコードやライブの多くを占めるピアノトリオ.バンドのリズムセクションが独立して成立した比較的新しい演奏編成とはいえ,モダンジャズの入り口でもある.その歴史を繙き,パウエルからエヴァンス,チック・コリア,ジャレットなど様々なピアノトリオのアルバムを取り上げ,具体的な魅力,聴き方を語る.

目次

はじめに
第一章 ピアノトリオの聴き方
1 聴き方のコツ
パーツ別に聴く
リズムを身体で感じ取る
2 ピアノ演奏の諸要素
タッチ
リズム
ハーモニー
3 ジャズピアノの奏法を聴き分けよう
ユニゾン奏法
ブロックコード
ロックハンド奏法
第二章 初期のピアノトリオ
1 モダンピアノトリオ前史
リズムセクション
ピアノトリオの誕生
2 ナット・キング・コール
過小評価されたピアニスト
コールの奏法
コールとビバップ
3 バド・パウエル
ビバップピアノの父
『ジャズ・ジャイアント』
4 二人のトリオへの対極的なアプローチ
三つの楽器の関係性
第三章 名盤を聴きなおす(1)
1 グルーヴィー
グルーヴとは
エロル・ガーナー『コンサート・バイ・ザ・シー』
アーマッド・ジャマル『アット・ザ・パージング』
レッド・ガーランド『グルーヴィー』
2 ブルージー
様々なブルース
ハンプトン・ホーズ『ハンプトン・ホーズ・トリオ Vol. 1』
ジーン・ハリス『イントロデューシング・ザ・スリー・サウンズ』
ジュニア・マンス『ジュニア』
3 渋い
「渋い」ピアニストとは
ハンク・ジョーンズ『ザ・トリオ』
トミー・フラナガン『オーヴァーシーズ』
レイ・ブライアント『レイ・ブライアント・トリオ』
第四章 名盤を聴きなおす(2)
1 〈スイング感〉──ウィントン・ケリーの八分音符
ウィントン・ケリー『ケリー・アット・ミッドナイト』
2 〈ドライヴ感〉──オスカー・ピーターソン・トリオのビッグバンドサウンド
オスカー・ピーターソン『ナイト・トレイン』
3 〈スピード感〉──フィニアス・ニューボーンJr.の光速流
フィニアス・ニューボーンJr.『ワールド・オブ・ピアノ』
4 〈創造性〉──デューク・エリントンの不滅の創造力
デューク・エリントン『マネー・ジャングル』
5 〈フォービートからの脱却〉──ビル・エヴァンス・トリオの「ブロークンタイム」
ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビー』
「マイ・ロマンス」の分析
6 〈切れ味〉──初期のマッコイ・タイナー
マッコイ・タイナー『リーチング・フォース』
7 〈破格〉──フリージャズとポール・ブレイ
ポール・ブレイ『フットルース(Footloose!)』
8 〈自由自在〉──チック・コリア・トリオの共同冒険
チック・コリア『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』
第五章 一九七〇年代以降のピアノトリオ
1 一九七〇年代・フュージョン全盛期のピアノトリオ
シダー・ウォルトン『ピット・イン』
メアリー・ルー・ウィリアムス『フリー・スピリッツ』
2 一九八〇年代・アコースティックジャズの復活
キース・ジャレット『スタンダーズ・ライブ』
ジェームズ・ウィリアムス『マジカル・トリオ2』
3 一九九〇年代・新型ピアノトリオの出現
グレイト3『ビギン・ザ・ビギン』
ジェリ・アレン『21(Twenty One)』
ブラッド・メルドー『ソングス──アート・オブ・ザ・トリオ3』
4 二〇〇〇年代・多様化の時代
ケニー・バロン『マイナー・ブルース』
チップ・スティーブンス『レレヴァンシー(Relevancy)』
フロネシス『ウィー・アー・オール(We Are All)』
サリヴァン・フォートナー『モーメンツ・プリザーブド(Moments Preserved)』
5 近年の「ジャズ神童」について
エルダー・ジャンギロフ
ジョーイ・アレキサンダー
あとがき
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

88
ジャズのピアノトリオについて解説されている。有名なアルバム解説は音階、リズム、メロディーやリズムについて細かく分析されている。ほとんどのアルバムは聞いているがそれが正しいのか、楽譜はさっぱりわからない私にはわからない。いやわかろうとしない。ジャズは理論も大切かもしれないが、一人車の中で聞いたり、クラブのざわつきや日曜の朝に聞くとき、それぞれ気分にあった楽しみのほうが大切と思う。アルバムの聞きどころは人それぞれにあればジャズの聞き方免許皆伝!図書館本2024/05/05

BLACK無糖好き

16
ジャズのピアノトリオについての全般的な解説。演奏の諸要素や奏法の聴き分け方も説明してくれる。主だった作品を紹介し、それぞれの聴きどころなども細かく記載してあるので参考になる。文章の表現力も豊かで行間から音が聴こえてきそう。これ一冊読んだだけで今までよりもジャズを深く味わえるような気になってきた。個人的には、難解(前衛的?)であまり聴いていなかったデューク・エリントンの「マネー・ジャングル」を取り上げていたのが良かった。チャールズ・ミンガスとマックス・ローチのバトルも面白い。2025/06/05

manabukimoto

5
ジャズにおけるピアノトリオの通史を学ぶ。 意外にも、ナット・キング・コールから始まる。歌い手としての彼しか知らなかったが、ピアニストとして余りにも過小評価されているとのこと。ジャズオーケストラ伴奏の歌声しか聞いたことなかったので、聴き直す必要あり。 〆はジョーイ・アレキサンダー。ハンコックにもマルサリスにも愛された神童。「テクニックよりもハーモニーと想像力、それに何より子供らしい遊び心と冒険心」が光っている、と。 クラシックもジョーイのような若者もジャズは常に新しい。 松本 ジャズ喫茶エオンタ蔵書2024/09/27

左近

5
自身もピアニストとして活動したことのある著者が、ピアノトリオに焦点を絞り、その聴きどころを解説。類書が多くありそうな中で、ちょっと面白いのは、具体的に何分何秒の部分と指定しながら記述していること。ここ数年、ジャズにはまっている自分だが、家にあるCDのラインナップは、基本的にモダンジャズばかり。現代ものにはあまり触手が伸びなかったけど、この間、たまたまブラッド・メルドーについて書かれた文章を読み、いつか聴いてみようと思い始めた。そして、本書読了後、絶対聴いてみようと一歩前進(?)した。2024/07/23

Akiro OUED

4
岩波新書を聴ける時代になったことが嬉しい。耳が未熟だった頃、ジャズピアノはみな同じに聞こえたんだがな。トニーのバスドラに競り負けないジェリ・アレンのピアノが勃ってるね。本書の選に漏れた無名・有名ピアノトリオやカルテットを解説する続編に期待。巻末の人名表記が大便利。好著。2024/10/10

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