朝日選書<br> 幼さという戦略 「かわいい」と成熟の物語作法

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朝日選書
幼さという戦略 「かわいい」と成熟の物語作法

  • 著者名:阿部公彦【著者】
  • 価格 ¥1,500(本体¥1,364)
  • 朝日新聞出版(2024/03発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022630384

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内容説明

現代日本社会には幼さが氾濫し、「かわいい」は文化の象徴でもある。では老いと成熟はどうなる?太宰治、谷川俊太郎、村上春樹、江藤淳、古井由吉、小島信夫の作品を通じて、賢く強い語りと幼く弱い語りの差異に注目する文芸評論の新しい地平。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ

36
元々は賢者・強者が語る言葉を無知な弱者が聞くということ。大人が子供に言い聞かせる等。現代人は弱者であることを強いられている。引用>>/たとえば「消費」という概念には、物を買い消費する人を、知識に乏しい無知な人と見立てる視線が内在する。教え、警告するというスタンスの広告が巷に氾濫するのもそのためだ。/ 弱者だからこそ語ることの出来る言葉がある。幼さの力。弱さの声。太宰治、村上春樹、谷川俊太郎、萩原朔太郎、武田百合子、多和田葉子、ルイス・キャロル等。2016/03/28

田中峰和

5
力の足りなさ、非力さが現代人の心をつかむというのが主張。元来、語るとは能力のある選ばれた者に許された行為であった。ところが著者は語る力があるのは弱い人や幼い人かもしれないと反論する。幼さの隆盛を語るとき、AKBやアニメ、コスプレなどポップカルチャーを例にあげることが多いがここでは文学を中心に展開される。「人間失格」で太宰は主人公葉蔵の弱さを女に振り回される存在として表現する。もう一つの非力さの象徴に老いがある。近年文学賞に応募する作品として介護小説が多いという指摘。なるほど芥川賞作家羽田圭介もそうだった。2016/01/03

Haruka Fukuhara

4
キーフレーズが上手いと思った。表題しかり、村上春樹とカウンセリングとか太宰治と幼さの技法とか。あと江藤淳には割と関心があるので予想外に言及があったのはよかった。ただ全体として何を言いたいのかよくわからなかったか、言いたいことはわかったけど何でそんなことを言いたいのかわからなかったか共感しなかったか、よくわからないけど全体としてそう面白くなかった。2017/03/26

風見草

3
四方田犬彦の『「かわいい」論 』ような内容を期待したが、内容は文学評論である。文学の素養のない自分には正直何を言っているのか理解困難でこじつけにしか見えず、説得力が感じられなかった。本書の評論のレベルのほどは分からないが、文学の嫌いな自分には文芸評論はちょっと肌に合わないかも。2015/12/05

2
幼さと老いはものさしの端と端にある対の姿ではなく、弱さなどの場面では共通することの多い存在だと感じた。文芸や言語、文化を横断することで現在が浮かび上がる点が興味深い。文芸評論であるかこそ、浮かび上がった現在のすがたを解決すべき問題にしない点が非常に良かった。終わり方が唐突に感じたが、この本は答えを与える、語り聞かせる文でなく、問いかける文であるため、その姿が適切であると感じた。2016/01/07

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