内容説明
最新研究で、直観を導く脳の部位が明らかになった。優れた判断をしたいなら、「集中すること」は厳禁。直観力を高めるためには、むしろ意識を「分散」させることが重要となる。これまであいまいとされてきた直観のメカニズムを、脳の専門医が解説。直観を駆使し、「創造力」を発揮するための実践的な思考法も紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
11
一般的に集中すること、論理的に思考することなどが良いとされがちだが、分散系(前頭前野と大脳皮質を結びつける神経線維”帯状回”の働き)はそうした時には抑制され、景色を眺めたり散歩したりといった何もしていない時にのみ活性化する。その働きによって情動や意味記憶、手続き記憶などの無意識的な記憶が検索されたり結びつけられていくのだという。著者はこの意識に登らない脳の活動の結果を直観とし、直観が働くためのメカニズムや具体的な行動を説いていく。2024/03/18
Yoshihiro Yamamoto
1
A+ 「意識を分散」(ボーッとした状態)させ、脳内の無意識下にしまわれている「意味記憶」どうしの予想外の連携を生むようにすればよい。この「意味記憶」の質が高ければ高いほど、良質な直観が生まれる。良識な「意味記憶」を自己内に形成させるには、物事の意味を深く考え、それを「意味情報」に変えることが必須。考える「物事」の質も重要だ。出口治明氏が常に言っているように「人・旅・本」で己を鍛える。言い換えれば「万里の道を行き、万巻の書を読む」という生き方が重要なのではないかと思った次第。「忘却の重要性」には勇気を得た。2024/04/24
いっしー
1
直観や新たなアイディアは、リラックスする事で脳の一部に偏らず、広範囲な過去の記憶を繋げる事で生まれる、と理解した。最近サウナ後の外気浴でボーっとしていると良いアイディアが浮かぶ事があるので納得した。また、「情報の枝葉を切り落とし、その本質を常に見るように努力」というのはまさに今の複雑な現代に必要な力だと思った。2024/04/06