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内容説明
世の中の発達とともに失われていった身体技法は、疫学研究者である著者の興味をひいてやまない。ある身体技法ができる、ということはどういうことか。なぜできるようになるのか、なぜできなくなるのか。本書では今はこの国でほとんど失われてしまった身体技法「頭上運搬」の記憶を追う。沖縄や伊豆諸島をはじめ日本各地や海外にその痕跡を訪ねつつ、話題は着物や伝統衣装、お産のほか、生活と労働を支えていた身体技法へと広がる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kuukazoo
15
日本では頭上運搬の担い手は女性だったようだが先日読んだエチオピアのコンソでは男性だった。性差に関わらず驚く程の重さや大きさのものを頭に載せかなりな距離を歩いて運ぶ身体技法の不思議。過去にやっていた人は特に教えてもらわずとも周りで皆やってるしやってみたらできた、やるしかなかった、という。昔の重労働を美化するわけではないが現代人から「失われた」身体性に学ぶものは多いと思った。自分でも試したが頭と荷物の間にクッションになる輪っか(タオルとか)が必須で軽いより重い方が安定するが、頭がぶれないようにするのが難しい。2024/04/07