内容説明
村上春樹、村上龍、恩田陸作品などを手がける韓国の人気翻訳家がつづる過酷で楽しい翻訳ライフ。翻訳初心者へのアドバイスも満載!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あおでん@やさどく管理人
30
「ひとりだから楽しい仕事」より、自身の半生や翻訳の仕事についての記述が多い。時には翻訳が難しい本、面白くない本もあるが、そういった本でも手を抜かず、ベストを尽くすことで先へと繋がっていく。第3章の「翻訳の実際」がためになる。原作の文体を忠実に伝えるなら直訳だが、それが韓国語として自然とは限らない。そこを「自然に」訳すところに、翻訳者としての力量が現れるのかも。方言についての話も面白い。関西弁は韓国のどこの方言で訳すべき?2024/06/17
tetsubun1000mg
19
一昨年筆者のエッセイ「ひとりだから楽しい仕事」を読んでおり、面白かった記憶があり選ぶ。 日本の小説の翻訳を始めたきっかけや、翻訳家の収入や日常まで書かれていて興味深い内容。 韓流ドラマは苦手で見ないのに、この方のエッセイが面白いのは、日本の作品と作者の文章が好きという感性が日本人と近いのかも。 韓国で日本の映画の放映が禁止されていた時代から日本の小説を翻訳していた韓国を代表する日本文学の翻訳者だそう。 鴻巣友季子さん、村井理子さんなど、日本の英語翻訳者のエッセイも面白い本が多いですよね。2025/05/16
ぽけっとももんが
14
日本語の本を韓国語に翻訳する著者の翻訳に関するエッセイを日本語に翻訳したもの。行ったり来たりだ。この訳を著者が見てどう思うんだろう、と思うとこれを訳すのもなかなか度胸のいることであるなぁ。いや、とても読みやすくて感じのいい訳でしたよ。ただこのタイトル、なぜ「翻訳に生きて」ではだめだったんだろう、まだご存命なのに。2024/08/18
yasuko
9
私のモットーは「無学の人でも楽しく読める文章を書くことだ」 翻訳家の仕事、生活がリアルに書かれていてわかりやすかった。著者のモットーの部分を読んで更に身近に感じられた。 韓国語が読めたら、著者が翻訳した日本文学を読みたいです。 2024/10/24
カエル子
8
若い頃、実は「翻訳家」になりたいと思ってました。でもそれだけで食べていくのはたぶん無理だろうな…と思って、その道は諦めてしまった口です。しかしこの著者は「それだけで食べていく」道から逃げることを考えずに、翻訳料をかすめ取られても、自分が翻訳した本が別の翻訳者の名前で出版されても、諦めずに食らいついて、韓国ではすっかり名の通った翻訳家さんになったらしい。苦しかった時期を笑い飛ばせるようになって良かったね。韓国の考え方や生活事情もチラ見できるのと、彼女オススメの日本文学作品も知ることができて楽しい読書でした。2024/06/02