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内容説明
日本企業は世間で言われるよりもはるかに強い。グローバルな最先端技術の領域で事業を展開する機敏で賢い数多くの企業。その顔ぶれ、昭和の経営から令和の経営への転換、イノベーターとしての競争力、見えざる技術・製品をベースとする事業戦略、タイトなカルチャーのもとでの変革マネジメントを解説する。
目次
はじめに
本書のメッセージ
第1章 再浮上する日本
第2章 2020年代は変革の絶好の機会である
第3章 「舞の海戦略」へのピボット
第4章 優れたシン・日本企業に共通する「7P」
第5章 「舞の海戦略」の設計
第6章 日本の「タイト」なカルチャー――なぜ変化が遅いのか
第7章 日本の企業カルチャー――タイトな国でいかに変革を進めるか
第8章 日本の未来はどうなるのか――日本型イノベーション・システムへ
第9章 結論 「シン・日本の経営」の出現
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HMax
29
「再浮上する日本に期待がある」。株価が42,000円を超えても悲観論が蔓延する日本、改革が遅いのは安定と引き換えに自分自身が選んだ代償である。日本の変化はタイトな文化の国であり、数多くの改革者が時間をかけて進めてきた改革がようやく地に足のついたものとなりつつある。 「何もしない方が得な日本」「男性中心企業の終焉」と本書には共通した「日本のタイトな文化」の中での最適解を実行している先進企業が、ここ数年で数多く出てきていることは確か。後はこの流れを汲み後押しする政治家が出てくれば日本の将来も安泰。2024/07/13
だ
7
新しい視点の日本論。気付きが多かったように思う。日本人が思うほど日本は悲劇的な状況ではない。派手ではないけれども、深いところで日本は着実に進化している。キーワードは、「ジャパン・インサイド」、「ディープテック」。タイト(皆が同じ規範を強く支持)なのかルーズ(皆が強く支持する規範が少ない)なのかは違いであって優劣ではない。タイト代表格の日本がルーズ代表格のアメリカをベンチマークすると間違える。目指すべきは舞の海のように小回りがきいて技数が多いスタイル。悲観しすぎずに、でも変革にチャレンジを。2024/03/26
deerglove
3
「変革を遂げて再浮上する日本」に目を向ける本書。一読するとやっぱり製造業なのねという印象は残りますが、そこはUCサンディエゴ校で企業戦略や組織論を研究されているウリケ・シェーデ教授、幅広い企業分析を通じて7つのPとか、イノベーション・ストリーム・マトリックスとかいった理論的フレームワークも提示されています。日本で出回るビジネス書と毛色が異なるのは「タイト・ルーズ理論」に基づく企業カルチャーの分析に踏み込んでいる点で、いわゆる「同調圧力」も、善し悪しではなく「違い」ととらえる観点には膝を打ちました。2024/04/07
ウラー
2
p154「遅いのは好みである」社会的規範が広範かつ明確で、その規範を守らせる同調圧力が強いタイトな社会である日本では、ルーズな社会であるアメリカほど速く変化することは選択されなかった。失われた30年と呼ばれるものが、停滞であるという見方は誤りであって、それは日本が社会的安定を保ったまま、ゆっくりと変革するためにかかったコストである。日本はアメリカより変化が遅かったが、それは差異であって優劣ではない。それぞれのカルチャーには向き不向きがある。日本を過度に貶め、悲観するのは適切ではないと主張する。2024/07/13
スコットレック
2
著者の方、"舞の海戦略"なる造語を生み出すとはその時点で相当な日本通ですな。というか、相撲に詳しすぎる! 悲観に囚われてすぎてはいけない、日本には独自の強みがある、そしてさらにそれが花開いているという極めて冷静な分析。近い将来、日本という国にとって失われた30年は決して無駄ではなかった(大きな社会的混乱を起こさず成長するための布石)と言える事を願う。2024/03/20