内容説明
《別れても会えなくなっても見えずとも一度出会えばずっと祝祭》
《天秤にあと少しだけ花びらが降ってきたなら変わる人生》
《百年後、朝の海辺で待ってます。この約束を愛と言いたい》
中村森の第一歌集。
監修:千種創一(歌人・詩人)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃこ
10
――星空は冠として煌めいて他者の正しさを借りずに生きる―― 私の好きな人たちはみんな、自分の軸があって、自分の正しさを信じて、でも柔軟に、真っすぐに生きてる。私には輝いて見えるし、彼らはいつだって私の目標になる。自分の意志が見えなくなった時、大事な決断をするとき、私は彼らを自分に憑依させる。得るのは彼らの嗜好の価値観、ではなくて彼ら自身の判断基準。あの人なら今、何を大事にするだろうか。そんな人にたくさん出会える私の人生はとてもとても幸せなもの。尊敬する人達の煌めく自分の世界を慈しんでいきたい。2024/09/15
なる
9
透明感のある感性、それに裏打ちされた言葉たちがひらひらと陽射しのなかで舞い踊るように。人に恋をするとわきあがってくる感情を、上手に言葉を組み合わせて形にする。制限された文字数の中で無数にある単語から歌を練りだすそれはパズルのようだ。和歌を諳んじることが当たり前だった古来よりも現代は多くの単語であふれている。そういう意味で、日本人特有の感性を保ちながら新たに生まれてくる単語をもツールとして駆使することができれば、それは最高の武器にならないだろうか。歌うことを放棄していなければ。2025/04/30
えいこ
7
書店の短歌特集で書店員さんのおすすめ本。装丁も素敵。初めて読む歌人だったが、どの短歌も詩的でとても好みだった。帯にもなっている歌「帆を揚げる 会いたい人に会いに行く それはほとんど生きる決意だ」佳き。「夜の海 唯一字幕が光ってて椅子に座れば深々沈む」体感。「どうしても謝りたかった何一つ欲しくなかった 月曜朝に」感情の記憶。上の句から下の句にかけて僅かにずれるその行間にイメージが立ち上がる。2024/05/25
あまはら
6
やわらかい歌を書かれる方だな、と思った。 海、空、花、真珠、雪に纏わる歌が多い印象を受け、それもやわらかい印象を抱く一因になっているのだと思うが、選ばれた言葉が優しいなと思ったのも確か。 そんな中出てくる「引き継ごう」「性善説を」のフレーズがこの本にぴんと緊張感をもたせていて、凄いなと思った。ただ優しいというだけではない、著者の諦観のようなものを感じた。2024/10/03
ちゃちゃまる
6
出会いも別れもしあわせも祈りも呪いもこの中にあって、言葉はそこにスッと立っている。 救いもあの時に流した涙もここにある。2024/07/24
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