内容説明
近代以前、西洋では多く魚が食べられ、その巨大需要は都市の興隆、大航海時代の到来をもたらした。目から鱗の魚で辿る世界史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
人生ゴルディアス
5
面白かった。中世ヨーロッパではおなじみのニシン(とタラ)の、近代にいたるまでの政治経済学。特に当時は海軍力の強さが漁民の層の厚さと相関していたから、漁業振興は海軍政策でもあった。とはいえ漁場は柵を立てて締め切るわけにもいかず、周辺国との政治から切り離されないし、そもそも水揚げした魚を売れる商品に仕立てるには技術が必要で、獲ったら必ず利益になるわけでもなかった。そして近代に入り新世界の漁場から始まるイベリア半島とイギリスを介した三角貿易にまで話が向かう。植民地政策についても詳しく語られ、盛沢山。満足。2024/04/04
すい🕊️
1
中世ヨーロッパと開拓時代のアメリカを魚を鍵に見ていく一冊。カトリックが肉食を禁じる時期(当時は年に半分ほどあったそう)の食料として大きな影響力を持ったニシン、そして大航海時代を生き抜くために保存食として有用かつインドの奴隷たちの食料だったタラ。教科書で学べない視点の欧州史でした。当時のレシピも興味深い!2024/03/30
すみの
0
微妙2024/04/24