歴史文化ライブラリー 528<br> 女と男の大奥 - 大奥法度を読み解く

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歴史文化ライブラリー 528
女と男の大奥 - 大奥法度を読み解く

  • 著者名:福田千鶴
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 吉川弘文館(2024/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784642059282

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内容説明

江戸城の本丸奥にあり、将軍の家族が暮らしていた後宮=大奥。愛憎と陰謀渦巻く男子禁制の世界のイメージが根強いが、実態はどうだったのか。江戸時代を通して十四度発令された大奥法度(奥方法度・女中法度)を読み解き、その歴史・職制・機能を分析。多くの男たちが出入りしていた事実を明らかにし、「女たちの大奥」という固定観念を問い直す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

12
江戸城の大奥を解説した一冊。何度も改訂された「大奥法度」を丁寧に読み解いていくことで、大奥という制度の変遷を見ている。「男人禁制」というイメージに反し、下人や警備などで男性の出入りが多かったこと。また「表向」の老中による統制が時代を経るごとに強化されていったことを実証する。個人的には大奥の意義として、男性の暴力からのアジール的な側面を強調しているのが興味深かった。事実大奥に走り込んでくる女性もいたわけで、著者の言うように老中支配の進展も、アジール機能の衰退という近世史の流れで捉えられるのかもしれない。2021/11/14

アメヲトコ

10
21年7月刊。テレビドラマなどの影響で、女性だけの世界というイメージの強い江戸城大奥について、大奥法度を丁寧に読み解いていくことでその実像を明らかにしようとした一冊です。法度の整備にしたがって老中や留守居年寄による統制が強まっていったこと、また日常的にも男性の役人が内部に出入りしさまざまな役目に従事していたことなど、まさに「女と男の大奥」であったことが明らかにされ、従来のイメージが大きく変わります。巻末掲載の、大奥に視点を置いた幕府の職制図も興味深いところ。2021/08/30

Toska

9
同時代史料にこだわる硬派な大奥論。お役所的な法度の条項が延々と並び、正直かなり読むのに骨が折れる。あるいは、そうした「つまらなさ」こそが巨大な官僚機構たる大奥の本質なのかもしれない。一方、大奥に男性原理を排したアジール的な性格を見、これに対する老中からの管理圧力を論じた結論部は非常に面白かった。男性が大奥に入る時は帯刀しないのが基本だったんですね。この部分をもっと膨らませてもよかったのでは。2023/02/21

伊達者

1
大奥のルールを分析・紹介した本。大奥の支配に老中を筆頭に男性が深く関与するに至ったことが説明される。出入りの仕組みやルールが分かってなかなか面白かった。さらに驚いたのは著者があとがきで突然ベールを脱いで現代に残る奥さま、ご主人を厳しく糾弾するところ。奥に関する研究の動機が最後に分かりここが最も面白かった。奥さんと大奥は結び付かなかったので新鮮。ところで奥さん以外の呼び方というのは難しい。〇〇さんの妻ですか。と電話セールスが話すのはちょっとなあ。2022/12/27

Pyonkichi

1
大奥法度を読み解くことで、大奥の実態と歴史的な変遷を展望した本。法度の読み解きが中心なのでやや単調ではあるが、当初は女たちのアジールだった大奥が、時とともに男を中心とする幕府の秩序に組み込まれ、むしろ女たちを閉じ込める籠のように認識されるようになったという著者の展望は興味深い。2022/05/29

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