内容説明
老人介護施設のマドンナ・キヌ子は、いまだ枯れずに「女」を振りまいている。夫とのセックスレスに悩む看護師のミサは、介助しながらその言動を複雑な思いで見ているが……。今の大人の女性たちが抱える「ままならなさ」を真っ向から、時にユーモアも交えて描いた「女による女のためのR-18文学賞」大賞作家デビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蝶子
4
おもしろかったし気に入ったけどリアルの知り合いには薦めにくい本。短編集で、中学生から80のご老人までいろんな年代の女性の話が5本で、性と愛は生に直結しているという感じ。姑の話や女性向け風俗の話などはホラーかよ!と思うぐらい怖かったけど(心霊現象ではなく人間の欲の話が)、最後は丸く収まるのでそこまで不快な読後感ではない。「肉体を愛せ。肉体は滅びるから」という言葉が重い。正直キヌ子さんみたいな生き方をしたい。キヌ子さんの肉体は衰えはしても滅びてはいないんだよな。そしてそれでもみんなに平等に降りかかる老いよ…。2024/04/23