内容説明
「道路の白線を踏み外したら死ぬ」「手のひらに“人”という字を3回書いて飲むと緊張がほぐれる」「食べ物を落としても3秒以内に拾えば大丈夫」「痛いの痛いの、飛んでいけ」などなど、誰もがどこかで聞いたことのあるシチュエーションを、現代ショートショートの名手・田丸雅智が大胆にアレンジ! 物語は「あるある」な設定から予想外の結末へ。1話10分であなたを不思議な世界へ誘う、魅惑のショートショート全10編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
76
おとぎカンパニーシリーズ。今作は「遅刻する食パン少女」に次ぐベタなシチュエーションからのアレンジ10作品。例えば笑い話にある「食べて横になったら牛になるよ」「では、隣の牛は誰がなったの?」この話が田丸さんにかかると牛になるのはいいが、実は牛になった後が何ともほっこりするという。これが好き。「原稿中」は作家さんならではの目線なので、もしかすると田丸さんの切なる心境かもね。あまりにも突拍子すぎる話もあったりして引き気味なのもあるけど、この世界観を味わえるのは田丸さんの想像力、創作力のおかげ。続編も楽しみ!2024/04/13
ごみごみ
54
誰もがどこかで聞いたことのあるシチュエーションが、思いもよらぬ展開に!設定はとても面白いし、著者の発想力も素晴らしい。目次に並ぶ10項目を見た時にはワクワクした。が・・どれもファンダジー的な内容で、私にはあまりハマらなかった。←『遅刻する食パン少女』のレビューにも同じようなことを書いてた(笑) 強いて言えば、ほのぼのしたオチの「牛さん (食べてすぐ横になると牛になる)」が好みかな。2024/04/08
よつば🍀
41
「緊張の“人”」「白線の民」「机の工房」「三秒以内に」「牛さん」「イタミの蝶」「原稿中」「てるてるの仕事」「鳩の通信」「ソウルスペース」10話収録の短編集。おとぎカンパニーシリーズだが単体で読んでも問題はない。今回は誰もが一度は経験した事がある行動がテーマ。私は3秒ルールはやらないが手の平に人という字を3回書いて呑みこんだ経験はある。そんな迷信の様なエピソードを田丸さんが大胆アレンジ。愉快な世界へと誘ってくれる。人って書くと人が登場したり、寝転がっていると牛になるとか楽し過ぎる。作者の発想の豊かさに脱帽。2024/04/09
ポチ
38
とても楽しい発想に心の疲れも癒される10の短編。面白かったです。2024/04/15
TAKA
19
あるあるな話題から様々なストーリーへと展開して行く発想力は凄いと思うけど、前作ほど嵌まらなかった。2024/03/25