鼓動

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鼓動

  • 著者名:葉真中顕【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 光文社(2024/03発売)
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  • ISBN:9784334102579

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内容説明

ホームレスの老女が殺され燃やされた。犯人草鹿秀郎はもう18年も引きこもった生活を送っていた。彼は父親も刺し殺したと自供する。長年引きこもった果てに残酷な方法で二人を殺した男の人生にいったい何があったのか。事件を追う刑事、奥貫綾乃は、殺された老女に自分の未来を重ねる。私もこんなふうに死ぬのかもしれない――。刑事と犯人、二つの孤独な魂が交錯する。困難な時代に生の意味を問う、感動の社会派ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

183
葉真中 顕は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、昭和平成風俗史社会派厭ミスの秀作でした。これから、ドンドン起こりうる類いの事件かも知れません。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843341025792024/04/12

いつでも母さん

152
子どもを産んだ時「生まれてくれてありがとう。健やかに育ちますように」とそれだけを願ったはず。誰しもン十年後に我が子が引きこもりになるなんて想像もしないはず。生きてるだけでお金は掛かるし親は先に逝くのだ。その後は?葉真中さんの書き下ろし新刊は8050問題を描く社会派ミステリー。引きこもりの犯人・草鹿が起こした二つの殺人事件。自供の裏側を刑事・奥貫綾乃が追うのだが、彼女も自分とダブる闇と対峙する。真相が明らかになっても心は重い。死ぬも大変、生きるも大変。同じ大変ならば命尽きるまで生きてみようか。 2024/04/11

ちょろこ

124
重い一冊。時代の流れを追い事件の真相を追う。これぞ葉真中さんの社会派ミステリ。衝撃的な老女殺害事件。その犯人とされる男はいわゆるひきこもり。些細なことからの社会との断絶、"承認"に縛られた彼のもがきがどんどん叫びという重みとなってのしかかる。もしかしたら自分はもちろん、誰もが陥ったかもしれない怖さを含み、終始、心を突いてきた。そして今作は犯人と同世代の奥貫刑事の向き合い方が印象的。彼女自身の心情を随所に重ね合わせる姿、終盤、心からほとばしった彼女の言葉が良い意味で重く胸に落ちてきた。言葉の救いが心に残る。2024/04/19

ナミのママ

88
刑事奥貫綾乃シリーズ3作目。今回のテーマは8050。夜の公園でホームレスの老女が殺され燃やされた。身元不明の老女を追う奥貫。離婚し子供を手放し1人暮らしの奥貫は老女に自分の将来を重ねる。一方で犯人の草鹿は48歳、18年間も引きこもり生活を送っていた。1974年から時代の流れと生育が描かれている。周囲から取り残され、自分に自信が持てず、沈んでゆく犯人。丁寧に描かれた心理描写はさすがで息を詰めて読み終えた。が、時代的出来事は変えられないし、いつの時代でも落ちる者は落ちる。登場人物に共感部分は見出せなかった。2024/03/24

ゆみねこ

87
18年の引きこもりの果てに二人を殺害した草鹿秀朗。彼に殺害されたホームレスの老女は何者なのか?事件を追う奥貫綾乃刑事は殺された老女に自分の未来を重ねる。やがて明らかになる事件の真相、8050問題、引きこもりを食い物にする悪徳業者。親も完璧な人間ではないし、子どもも好んで引きこもるわけではない。現代の日本が抱える問題、重く受け止める読書に。2024/04/12

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