ちくまプリマー新書<br> 君主制とはなんだろうか

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ちくまプリマー新書
君主制とはなんだろうか

  • 著者名:君塚直隆【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2024/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684776

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内容説明

ファラオ、女王、天皇らが統治する「君主制」。この世界最古の政治制度がわかると、世界史がもっとおもしろくなる!君主の誕生から革命を経て、現代までを一望する、かつてない君主たちの5000年史。 【目次】はじめに 「王様は何でえらいの?」/第1章 王の誕生――太古から古代へ/第2章 理想の王とは――古代から中世へ/第3章 絶対君主制への道――中世から近世へ/第4章 市民革命の時代――一七世紀から二〇世紀へ/第5章 二一世紀の君主制

目次

はじめに 「王様は何でえらいの?」/王様は自分勝手?/古代の王の仕事/なぜ君主制を学ぶのか/君主たちの五〇〇〇年史/第1章 王の誕生──太古から古代へ/人類最古の国家形態?/ファラオとルガル/1 国家の防衛──「戦闘の王」の誕生/ナルメル王の登場/「全土の王」サルゴン/文明と野蛮の境界/2 豊饒の確保/灌漑と浚渫/神や太陽と結びつく王たち/暦を支配した王たち/貨幣の顔になった王たち/3 社会正義の維持──法典の登場/人々の羊飼いに/ハンムラビ法典の牧人権/外交のはじまり/帝国の誕生へ/王と民の密接な関係/第2章 理想の王とは──古代から中世へ/1 古代ギリシャ・ローマの君主論/プラトン「哲人王による統治」/知恵・勇気・節制・正義/キケロ『義務について』/2 古代中国の君主論/王道による統治──儒家思想/礼儀の規範/法による統治──法家思想/秦王の法治政策/3 仏教と君主のありかた/仏教の誕生/身分制にとらわれない仏教/マウリヤ帝国の王権強化/ダルマと十徳/最初の世界宗教へ/4 イスラームの王権観/預言者ムハンマド/カリフの登場/アッバース朝──カリフの変容/世俗の王スルタン/イスラームの四つの徳/5 キリスト教とヨーロッパ世界/コンスタンティヌス一世の改宗/帝国の分裂と教会の権威/ローマ帝国とキリスト教/聖なるものと王/6 キリスト教と「君主の鑑」/道徳的高貴さ/トマス・アクィナスの君主論/聖から俗へ/宗教改革と権威のゆらぎ/第3章 絶対君主制への道──中世から近世へ/1 王権の強化──官僚と常備軍/叙任権闘争/教皇の没落/マキャヴェッリ『君主論』/主権の登場/2 中華帝国と皇帝たち──中央集権的な官僚国家の誕生/科挙/内閣と宦官/官僚制の腐敗/雍正帝の官僚機構/3 オスマン帝国の盛衰──軍人の帝国から官僚の帝国へ/オスマン朝の登場/新しい軍イェニチェリ/皇帝の兄弟殺し/ウラマーとカプクル/スレイマン一世の栄光と衰退/4 ムガル帝国の光と影──分権的なインドの悲劇/一三歳のアクバル帝/マンサブタール制/拡大と衰退/5 ヨーロッパの絶対君主制/小さな国の大きな権力/王権神授説/イングランドの名誉革命/ルイ一四世の野望──絶対君主制の確立/地方監察官と国王民兵制/貴族たちの舞台/プロイセン国王の登場/「すべてを人民のために、しかしなにごとも人民によらず」/ロシアのツァーリ/第4章 市民革命の時代──一七世紀から二〇世紀へ/絶対王政の真の姿/ブルジョワジーの誕生/暴君放伐論の系譜/主君押込/最初の市民革命──フランス革命へ/徳を失った王/革命のゆくえ/一八四八年革命/国民投票による帝政/世紀転換期の不穏な空気/アジアに拡がる革命の嵐/辛亥革命/ロシア・インテリゲンツィアの登場/市民革命から社会主義革命へ──ロシア革命/ヴァイマル共和国の成立/第一次世界大戦と帝国の崩壊/総力戦の時代と皇帝たちのたそがれ/国民の責務と権利/第5章 二一世紀の君主制/過酷な戦後賠償/二度目の世界大戦と君主制のゆくえ/君主制を維持した日本/象徴天皇制のはじまり/民主主義と君主制/なぜイギリスで君主制が続くのか?/ジョージ五世──立憲君主の鑑/イギリス立憲君主制の現実/「政治的な経験を長く保てる唯一の政治家」/エリザベス二世の七〇年/エリザベス女王の外交/変化するイギリス王室/現代ヨーロッパの立憲君主制──北欧とベネルクス/女性の王位継承権/現代の「絶対君主制」のゆくえ/変化する王朝君主制/アジア・アフリカの君主国/二一世紀に君主制は必要なのか/おわりに/イギリス国王・チャールズ三世の変革/未来の君主たち/王様は何でえらいのか?/次に読む本

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

30
ファラオ、女王、天皇らが統治する世界最古の政治制度「君主制」。君主誕生から革命を経て、現代までを一望するかつてない君主たちの5000年史。「君主制」というものに焦点を当て、このシステムが人類の歴史のなかでどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのか。国家の防衛や豊饒の確保、社会正義の維持といった役割を担っていた古代の王が、哲学や宗教を通じて理想の君主のありかたを求められるようになり、官僚と常備軍を備えた絶対君主制、市民革命の時代を経てなぜ君主国が少なくなったのか。わかりやすい解説で興味深く読めました。2024/04/02

ta_chanko

26
古代から現代に至るまでの君主制の歴史や経緯をわかりやすく概説。君主の役割は、①外部の攻撃に対する防衛、②支配領域内の豊穣と平安の確保、③社会正義の維持。この3つを守れれば崇敬され、守れないと見なされれば激しい批判や反乱にさらされる。革命により処刑されることも...。君主も楽ではない。現代においては、君主制の国の方が社会の分断にさらされていない印象がある。日本もしかり。権威と権力の二元体制のほうが、さまざまな情勢に対して柔軟性が高いように思える。2024/05/14

21
古代メソポタミアエジプトから始まり、君主制を通して世界史を概括する新書。君塚先生なので基本的に君主制ageで共和制sage。ヒッタイトやエジプト等の古代中東の五大国間で対等な外交がアッカド語を用いて行われ「わが兄弟」との書き出しで書簡が記されたとか、ルイ14世が唐等の中国の専制を手本にしていたとか、帝国が巨大化すると機構も複雑化し、それを担うものの権益も拡大するので絶対君主制としての大権が削がれていくとか面白かったな~。2024/09/05

ピオリーヌ

20
2024年の刊。ちくまプリマー新書。「中高生にも分かり易く君主制の意味を説いてもらいたい」という編集者の依頼に基づいて書かれたもの。それだけに平易な言葉で書かれてあり大変読みやすい。末尾の「参考文献」も「次に読む本」となっておりこちらの想定にも配慮を感じる。500年前のファラオから現在までの君主制を通した通史。現在ではヨーロッパ各国が男女を問わず第一子が王位継承で優先される「絶対的長子相続制」を採用したことにも触れ、スペインのレオノール皇太子をはじめ各国の女子の皇位継承者が18歳になるとともに2025/03/26

coolflat

15
22頁。人類が農耕や牧畜を開始し定住すると、①外部からの攻撃に対する防御、②領域内の豊穣と平安の確保、③社会正義の維持、という三つの役割を果たす指導者が望まれるようになる。それが「王様」となっていく。王様たちは人々の間でいさかいが生じた場合には「法」に基づいてこれを仲裁していくようになる。また農耕生活が定着し、商業なども盛んになると、王様たちは「暦」を統御するとともに、金貨や銀貨などの貨幣も鋳造させて、経済全体もコントロールしていくことになる。これらが最初に誕生したのがエジプト・メソポタミア文明だった。2024/11/23

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