ちくまプリマー新書<br> 君主制とはなんだろうか

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ちくまプリマー新書
君主制とはなんだろうか

  • 著者名:君塚直隆【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2024/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784480684776

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内容説明

ファラオ、女王、天皇らが統治する「君主制」。この世界最古の政治制度がわかると、世界史がもっとおもしろくなる!君主の誕生から革命を経て、現代までを一望する、かつてない君主たちの5000年史。 【目次】はじめに 「王様は何でえらいの?」/第1章 王の誕生――太古から古代へ/第2章 理想の王とは――古代から中世へ/第3章 絶対君主制への道――中世から近世へ/第4章 市民革命の時代――一七世紀から二〇世紀へ/第5章 二一世紀の君主制

目次

はじめに 「王様は何でえらいの?」/王様は自分勝手?/古代の王の仕事/なぜ君主制を学ぶのか/君主たちの五〇〇〇年史/第1章 王の誕生──太古から古代へ/人類最古の国家形態?/ファラオとルガル/1 国家の防衛──「戦闘の王」の誕生/ナルメル王の登場/「全土の王」サルゴン/文明と野蛮の境界/2 豊饒の確保/灌漑と浚渫/神や太陽と結びつく王たち/暦を支配した王たち/貨幣の顔になった王たち/3 社会正義の維持──法典の登場/人々の羊飼いに/ハンムラビ法典の牧人権/外交のはじまり/帝国の誕生へ/王と民の密接な関係/第2章 理想の王とは──古代から中世へ/1 古代ギリシャ・ローマの君主論/プラトン「哲人王による統治」/知恵・勇気・節制・正義/キケロ『義務について』/2 古代中国の君主論/王道による統治──儒家思想/礼儀の規範/法による統治──法家思想/秦王の法治政策/3 仏教と君主のありかた/仏教の誕生/身分制にとらわれない仏教/マウリヤ帝国の王権強化/ダルマと十徳/最初の世界宗教へ/4 イスラームの王権観/預言者ムハンマド/カリフの登場/アッバース朝──カリフの変容/世俗の王スルタン/イスラームの四つの徳/5 キリスト教とヨーロッパ世界/コンスタンティヌス一世の改宗/帝国の分裂と教会の権威/ローマ帝国とキリスト教/聖なるものと王/6 キリスト教と「君主の鑑」/道徳的高貴さ/トマス・アクィナスの君主論/聖から俗へ/宗教改革と権威のゆらぎ/第3章 絶対君主制への道──中世から近世へ/1 王権の強化──官僚と常備軍/叙任権闘争/教皇の没落/マキャヴェッリ『君主論』/主権の登場/2 中華帝国と皇帝たち──中央集権的な官僚国家の誕生/科挙/内閣と宦官/官僚制の腐敗/雍正帝の官僚機構/3 オスマン帝国の盛衰──軍人の帝国から官僚の帝国へ/オスマン朝の登場/新しい軍イェニチェリ/皇帝の兄弟殺し/ウラマーとカプクル/スレイマン一世の栄光と衰退/4 ムガル帝国の光と影──分権的なインドの悲劇/一三歳のアクバル帝/マンサブタール制/拡大と衰退/5 ヨーロッパの絶対君主制/小さな国の大きな権力/王権神授説/イングランドの名誉革命/ルイ一四世の野望──絶対君主制の確立/地方監察官と国王民兵制/貴族たちの舞台/プロイセン国王の登場/「すべてを人民のために、しかしなにごとも人民によらず」/ロシアのツァーリ/第4章 市民革命の時代──一七世紀から二〇世紀へ/絶対王政の真の姿/ブルジョワジーの誕生/暴君放伐論の系譜/主君押込/最初の市民革命──フランス革命へ/徳を失った王/革命のゆくえ/一八四八年革命/国民投票による帝政/世紀転換期の不穏な空気/アジアに拡がる革命の嵐/辛亥革命/ロシア・インテリゲンツィアの登場/市民革命から社会主義革命へ──ロシア革命/ヴァイマル共和国の成立/第一次世界大戦と帝国の崩壊/総力戦の時代と皇帝たちのたそがれ/国民の責務と権利/第5章 二一世紀の君主制/過酷な戦後賠償/二度目の世界大戦と君主制のゆくえ/君主制を維持した日本/象徴天皇制のはじまり/民主主義と君主制/なぜイギリスで君主制が続くのか?/ジョージ五世──立憲君主の鑑/イギリス立憲君主制の現実/「政治的な経験を長く保てる唯一の政治家」/エリザベス二世の七〇年/エリザベス女王の外交/変化するイギリス王室/現代ヨーロッパの立憲君主制──北欧とベネルクス/女性の王位継承権/現代の「絶対君主制」のゆくえ/変化する王朝君主制/アジア・アフリカの君主国/二一世紀に君主制は必要なのか/おわりに/イギリス国王・チャールズ三世の変革/未来の君主たち/王様は何でえらいのか?/次に読む本

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

27
ファラオ、女王、天皇らが統治する世界最古の政治制度「君主制」。君主誕生から革命を経て、現代までを一望するかつてない君主たちの5000年史。「君主制」というものに焦点を当て、このシステムが人類の歴史のなかでどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのか。国家の防衛や豊饒の確保、社会正義の維持といった役割を担っていた古代の王が、哲学や宗教を通じて理想の君主のありかたを求められるようになり、官僚と常備軍を備えた絶対君主制、市民革命の時代を経てなぜ君主国が少なくなったのか。わかりやすい解説で興味深く読めました。2024/04/02

プロメテ

7
君主制というキーワードから、人類6000年の歴史を一冊で振り返るというコンセプト。さらっと駆け抜ける感じで、歴史の上澄みをさらったような出来。私はよい書物だと思うけどな。所々教養が欠けているところがたくさんあり、まだまだ世界史の知識が少ないと反省できた。ひとつの文脈から歴史を縦断するという試みは自分はとても好みのテイストだと思った。このようにどの切り口からも世界史をすらすらと説明できるようになりたい。2024/04/14

蝶子

6
おもしろかった。最初は世界史のまとめという感じで駆け足でさらっと流れていくので、最終章の著者の先生の専門であるイギリス王室の話が本番。普段王侯貴族が恋愛をするロマンス小説ばかり読んでるので、王とか貴族とか、歴史的に存在するのは当たり前だけどヒストリカル小説にしか出てこない存在のように感じていた。それがこの本で整理できてよかったなと思う。こういうの、なかなか説明されないし、説明できないよね。日本だと天皇制が存在するのでより身近。つい最近愛子さまが大学を卒業したところなのでいろいろ考える。2024/03/23

天婦羅★三杯酢

3
さすが”女王陛下”の著書。 英王室を専門として深い研究をされているわけだけど、そこで得た真髄を他のアジア/アフリカ地域の王権や文明のゆりかごとしての歴史的分野にも縦横に適用して初学者にもわかりやすく描いているのが素晴らしい。 正直なところ、日本からは縁遠い南/西アジア、中近東の王朝史に関しては初めて知る事も多く、やはり深い知識を持つ人はそれ以外の所との関連もしっかり抑えた文章を書くのだなと。2024/03/30

マッケンジー

2
図書館で借りた本。言葉を聞いた事はあるけれど、具体的に説明しろと言われたら困ってしまう「君主制」。世界史は苦手だけど、専門家によって分かりやすく解説された本を読むのは楽しい。読み終えた時「文スト」における某マフィアのボスのセリフが脳裏をよぎりました。2024/03/18

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