内容説明
24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。 やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていくが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
65
美大デザイン科を卒業したが、グラフィックデザイナーへの道は遠く鬱々とした日々を過ごしていた紀久子は花屋の店主に拾われて花屋でアルバイトを始める。花屋さんのお仕事小説なので花好きには楽しい。ショップカードをきっかけにグラフィックデザイナーへの道も細々と開けていき、理系男子好きの紀久子にも恋の予感が漂いつつ物語は終わる。花の薀蓄が楽しいのでシリーズ化してほしい気がする。2024/07/23
菜穂子
46
美大卒、デザイナーを目指したけれど、就職したのはグラフィックデザインとは遠く離れた会社の上に、あまりにもブラック過ぎて辞めることを諭された人のお花屋さんで働くことになる。店主を始めバイトの面々、お客さんも加わって魅力溢れる人々との関わりは花の知識だけでなく、生き方、暮らし方、仕事の仕方、考え方は順風満帆な人生でないところから得られるものなのかもしれない。そして経験や学んだことはひとつも無駄は無いのだ。2024/07/18
よんよん
44
題名を忘れてて、ハードカバーで読んだのに文庫版で再読。読み始めて、なんか既視感ある、と思ったらやっぱり読んだことあった。でもやっぱり楽しい読書だった。紀久子がバイトすることになった花屋さんでのいろいろ。花にまつわるアンソロジー。ミモザが良かった。続きはいつかなぁ。待ち遠しい。2024/11/17
れもん
39
図書館電子書籍。章のタイトルが花になっていて、その花の花言葉で章を締め括る。ストーリーがキレイにまとまっていて、各章を読み終えるたびに、紐をぎゅっと結ぶような締めた感で満たされる。主人公のキクちゃんとの縁でそれぞれが一歩を踏み出し、もちろんキクちゃん自身も一歩を踏み出し…花で繋がる縁に素敵だなと思えるストーリーでした。花って、生活に色を入れて鮮やかになる。誰かにプレゼントをして想いを伝える。良いなぁ、花って。次に晴れた日には、花壇の手入れをしよう。2024/03/25
ミーコ
34
紀久子は、グラフィックデザイナーになる夢を持って就職した先はブラック企業。。たまたま居合わせた縁で花屋さんで働く事になって、ホント良かった。全く業種が違うと思っていたけど デザイナーの仕事とこんなふうに関わって行けて夢に向かって進んで行けるお話で心が温まった。花言葉も知れて良かったです。2024/05/08