内容説明
24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。 やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていくが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
70
優しい物語。ブラック企業に勤めて…という出だしだけど、花屋に勤務してからは、ハートフルなストーリー。花そのものの説明と花言葉がためになる。また、花に纏わる俳句や短歌が出てくるのが趣があって良き。人とのご縁というのは不思議なもので、良い環境にいれば運も自然に上がるのかな、という気がする。自分が身を置く場所が安定するのが良いのかも。華道をする者として、花屋さんのストーリーは身近で楽しかった。私も花屋さんに電話をしてお稽古のお花を頼んでいる。季節の花の話をするのが楽しいのよね。花は心の友、欠かせないものだわ。2026/03/03
ぼっちゃん
68
ブラック企業に勤め身も心もつかれていた主人公が花屋さんに救われ、その花屋さんでアルバイトすることになるお仕事小説。花にまつわる詩などが看板に書かれていたら、どういう意味だろうどんな花だろうと確かに気になるな。花言葉にもいろいろあり、色でも本数でも違うとなると、知っていなければ贈ったひとの気持ちが伝わらないから、ちゃんと調べないといけないな。【サイン本】2026/01/28
真理そら
66
美大デザイン科を卒業したが、グラフィックデザイナーへの道は遠く鬱々とした日々を過ごしていた紀久子は花屋の店主に拾われて花屋でアルバイトを始める。花屋さんのお仕事小説なので花好きには楽しい。ショップカードをきっかけにグラフィックデザイナーへの道も細々と開けていき、理系男子好きの紀久子にも恋の予感が漂いつつ物語は終わる。花の薀蓄が楽しいのでシリーズ化してほしい気がする。2024/07/23
ぽのぽの
58
アンソロジー『こんぺいとう商店街』で山本幸久さんを初読み。優しく温かい物語に心打たれて著者検索したら、おすすめ順1位にあがっていたのが今作。さすが1位。とても素敵な物語だった。花屋さんでバイトをする20代半ばの女性が主人公。グラフィックデザイナーになる夢を追いながら、花屋さんの仕事に真摯に取り組む姿が好ましい。良い子だわ〜。親戚のオバチャンになった気分で応援した。(笑)作中に花の名前がいっぱい出てくる。ほとんど知らなくて画像検索しながら読んだ。各章ラストの花言葉がじ〜んと来る。続編も読みたい!2026/05/26
エドワード
48
君名紀久子、24歳。美大でデザイン専攻だが、ブラック企業で疲弊し、辞表を叩きつける。彼女は駅前の川原崎花店の外島李多に拾われ、李多の店のアルバイトになる。紀久子の前に広がる花の世界、実に奥深い。生物としての花、商品としての花、四季や文学に現れる花。人間関係も花開く。同僚の光代さんと芳賀君、ミモザ園のミドリ、小学生の蘭、中学生の千尋。様々なお得意先。植物学を学ぶ伊福部晶(この名前は何だ!)。江戸時代の変種朝顔の話が先日読んだ「サイエンス日本史」と重なりニヤリ。花が縁でデザインの仕事も入る。がんばれ、紀久子!2026/05/07
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