内容説明
家を出るお父さんが教えてくれたアンキモの味。引っ越す友達と分け合ったグミ。仕事を辞めて久しぶりに作るキュウリのサラダ。恋人に別れを告げられ、目の前で冷めていくビスマルクピザ。子どもと食べる初めてのフライドポテト。恋、仕事、親との別れ――人生の忘れられない場面には必ず食べものの記憶があった。珠玉のショートストーリー+短歌集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
練りようかん
9
大好きなショートストーリー+短歌形式で嬉しい。プルースト効果の逆で、きっとこの食べ物が今この瞬間の記憶と強く結びつくだろうという予感が、言葉にできない哀しさとともに襲ってくる。失われるものに対してどうしようもない自分、頭が追いつかない展開が多く「うまく驚いたりうまく求めたりするのをみんなどこで習うの」は加藤さんらしさを強烈に感じた一首だ。掌編として好きなのは「カスタードクリーム」と「さつま揚げの煮物」。フード系は美味しさが仔細に描かれるものが多いがそこをサラッと書くのも良い。とっても楽しかった。2024/04/22
量甘
8
食べ物にまつわる話と短歌集。「カスタードドーナツ」と「いももち」がよかった。切ない話が多かったが、食べ物から広がる短歌の世界を少し味わえた。2024/04/06
ごま麦茶
4
あらすじを読まずに表紙買い。食べ物エッセイかと思ったら、食べ物を絡めたショートショートと短歌。最初の『アンキモ』からじんわり刺さった。いろいろな登場人物たちが、いろいろな食べ物を食べ、それぞれの生活をしている。ひとつのお話が10ページ以下なので読みやすく、しかも、ひとつひとつがいろいろな感情を揺さぶってくる感じがしました。表紙で選んでしまったけど、素敵な本に出会えて感謝。短歌も、じんわりと心に響いてきた。2024/04/18
kimuchi
3
人生の忘れられない場面には、必ず食べものの記憶があった。珠玉のショートストーリー+短歌集(裏表紙より)。食にまつわるショートストーリー。悲しい話が多かった気がする。2024/04/29
non
1
24-79:小さな話と短歌。心、気持ちの揺れのようなもの「これからきちんと元気になれる」2024/04/15