内容説明
家を出るお父さんが教えてくれたアンキモの味。引っ越す友達と分け合ったグミ。仕事を辞めて久しぶりに作るキュウリのサラダ。恋人に別れを告げられ、目の前で冷めていくビスマルクピザ。子どもと食べる初めてのフライドポテト。恋、仕事、親との別れ――人生の忘れられない場面には必ず食べものの記憶があった。珠玉のショートストーリー+短歌集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
76
ショートショートと短歌で綴る食をテーマにした作品集。ほんの一部を切り取った物語なのに、奥行きを感じさせてくれます。さて、現実はどうかというと、あのとき食べた○○なんて思い出は、そんなにあるもんじゃない。だけど、思い出したシーンは、なかなかいいエピソードです。苦い思い出は、一人で食べているシーンだ。2025/08/19
Karl Heintz Schneider
45
人生の忘れられない場面には、必ず食べ物の記憶があった。食べ物とその時の想いを綴った短編集。一話が5ページほどなので、スイスイ読めちゃう。「いももち しずばあのこと」学校で同級生から無視されている小学三年生の愛ちゃん。友達のいない彼女がいつも行くのは近所のおばあちゃんの家。静おばあちゃん、通称「しずばあ」。しずばあは学校のことを何も聞かない、ここではそんなに話さない。しずばあが作ってくれた、いももちを一緒に食べて、一緒にテレビを観て、夕方になったら家に帰る。それだけの関係なんだけど、それがとても心地よくて。2024/05/17
み
26
さくさくと♪唐揚げのお話が意外でした…。お仕事でモヤモヤしてるので、カスタードドーナツのお話を読み返しちゃった(^^)2024/09/14
*+:。.もも.。:+*
19
誰かと食べた食事のショートストーリー、読み終わったあとに待ち構えてる短歌がズドンと来る。一つ一つは短いお話なのに破壊力が半端ない。一番好きなのは「納豆オムレツ」の章。「ちぎられるような悲しみだけど 君に会えてよかった 絶対よかった」2024/06/28
たぬ
18
☆3.5 実家にて「おっうまそうな表紙♪」と発見した初読み作家さん。30の食べ物ストーリーはどれもごくナチュラルで、具体的な味が口の中に広がるようでした。個人的には短歌はなくてもいいかな。ってこの方まずは歌人としてデビューしてるんだ。なんかごめん。2024/07/13