法蔵館文庫<br> 増補 天空の玉座-中国古代帝国の朝政と儀礼-

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法蔵館文庫
増補 天空の玉座-中国古代帝国の朝政と儀礼-

  • 著者名:渡辺信一郎【著】
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  • 法藏館(2024/03発売)
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  • ISBN:9784831826633

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内容説明

皇帝をめぐる政治的意志決定の過程、それを根柢から支える君臣関係の特質と地方政府に対する政治的支配、従属関係のあり方、周辺諸種族をも加えた帝国構造の仕組みを解剖し、中国古代における皇帝専制と帝国支配の実態に迫る。

目次

はしがき
第一章 中国古代国家の朝政
はじめに
第一節 朝議の構造
一 古代国家の会議――議について
二 朝議の種類と構造
第二節 朝政の構造
一 両漢期の朝政――朝政構造の形成
二 魏晋南北朝期の朝政
三 隋唐期の朝政
おわりに
附論一 六朝隋唐期の太極殿とその構造
はじめに
一 三世紀から九世紀にいたる宮城の構造
二 六朝期太極殿の構造
おわりに
第二章 元会の構造――中国古代国家の儀礼的秩序
はじめに
第一節 元会儀礼の形成――第一期・両漢期
第二節 元会儀礼の成立――第二期・西晋~六朝末
一 西晋「咸寧儀注」の制定
二 上計吏勅戒儀礼
三 蘇綽「六条詔書」の民衆・国家観――中国古代国家の成り立ち
第三節 元会儀礼の展開――第三期・隋唐期
一 『大唐開元礼』の元会儀礼
二 唐代元会儀礼の構造的特質
三 構造変化の原因
おわりに
三章 帝国の構造――元会儀礼と帝国的秩序
はじめに
第一節 元会儀礼の帝国的秩序
一 漢六朝期の元会儀礼における帝国的要素
二 貢納原理――あるいは庭実について
第二節 『禹貢』の帝国的秩序
一 『禹貢』とその制作年代
二 『禹貢』の帝国理念とその構
第三節 唐王朝の帝国的秩序
一 『大唐六典』の帝国的秩序
二 「帝国オイコス」の帝国的編成
おわりに
附論二 中華帝国における礼的秩序と法的秩序
はじめに
一 中華帝国論と東アジア世界論の背景
二 律令的法秩序と礼制的秩序
三 前近代中国の国制と礼制――問題の枠組みをもとめて
おわりに
あとがき
増補版あとがき
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

電羊齋

8
主に、漢から唐までの朝政と元日に行われる元会儀礼への詳細な分析を通じ、皇帝と官僚たちによる意思決定システム、主従関係、さらには帝国的秩序について論じている。興味を引かれたのは朝政において、朝議を文書に残していくためのシステム、それを支える官僚群と最終意思決定者としての皇帝の存在である。また元会儀礼については儀礼自体のみならず、それを支える「貢納」を分析することで、皇帝・官僚の主従関係のみならず、中央・地方さらに周辺諸国・諸種族へ広がる帝国的秩序を鮮明に浮かび上がらせているところも面白く読めた。2024/04/13

みを

3
非常に興味深い内容だった。古代中国の朝会、そして元会儀礼の分析を通じて、皇帝と官僚の君臣関係を基盤とする「帝国」の成立構造を剔抉している。朝会など官僚の諸会議が存在したとしても、最終かつ究極的な決裁権は皇帝が有していたことにも注意すべきであるとしている点も頷ける。また元会儀礼の分析では、当該儀礼がもつ「意味」や「効果」のみならず、その成立を支える「貢納」へと筆を進めることで、中央政府─諸郡県─蕃夷の帝国的広がりを総体として捉えており、タテとヨコのつながりによって「帝国」が成り立っていたことを論証している。2024/04/07

tokumei17794691

2
・本書で特筆すべきは、儀礼の政治的意義に比べれば比率は低いが、漢(劉邦が「皇帝の尊さを初めて知った」と言った儀式)・唐の元会(元日)の式次第が箇条書きにされていること。中国史本を読んでも、儀式の式次第が分からないことも多い。また、貢物も箇条書きされていて、どこから何が貢がれたかが分かりやすい。・舞蹈礼の政治的意義とその所作について記述は、順番を逆にしてほしかった。所作が分からず、長々と書いてある政治的意義を読み進めるのには疲れた。・専門用語にすらルビがないことが多く、読みが分からず、ストレスだった。2024/03/17

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