内容説明
マッサージ店で勤務する柳田譲、44歳、独身。傷つきやすく人付き合いが苦手な彼の心を迷惑な客や俗悪な同僚、老いた母や義父が削り取っていく。自分が暴発してしまうまえに自死することだけが希望となった柳田をさらに世界の図らざる悪意が翻弄する――。第39回太宰治賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョンノレン
53
著者2冊目、でこの本が太宰治賞受賞作なんだと読み始めて何故かすんなり入り込めずにかなり流し読みを進めた後に裏表紙の概説を読んで気付いた。で引き続き然程の魅力も感じないまま読了。太宰治本人の作品は読み始めから吸い込まれて没入するのが常だったけど、太宰治賞受賞作がすべてそうとは限らない。綿谷りさ氏のを読んだ時はこれぞ太宰治賞と唸ったけどね。2026/03/24
じゅん
35
ここまで共感できない主人公は久しぶり。コロナ禍の時期における勤務先のマッサージ店と唯一の楽しみ自転車にまつわる物語。自分に自信がないと言いつつプライドが高いネガティブ思考の塊。影響を受けないように気を付けなければ。水を飲めずに死んでいく渇死と比べると、衰弱死する老人は案外苦しくない。人間の体には苦しみが限界に達すると、それを和らげるための脳内麻薬を分泌する仕組みがあるらしく、水さえ飲んでいれば楽に逝ける。ブレサリアン:ブレスだけで生きる人。リキッダリアン:物を食べず水分だけ摂ってる人。ビーガン:完全菜食。2024/11/07
tomi
32
44歳独身。人付き合いが苦手で神経質な彼の生きる気力を奪う、同僚や身勝手な客や老いた母親や無神経なルールを守れない人達。暴発して危害を加えそうな不安を持ち、自殺ではなく居なくなりたい、と思う。生きづらさを抱えた男の一人称で書かれた、太宰治賞受賞作。まさに現代版「人間失格」の趣き。2026/02/06
uniemo
26
初読みの作家さん。太宰治賞受賞作ということだから新人の方なのかな。周囲の様々なことに敏感で癖のある考え方で生き難そうな主人公がどんどん破滅に向かっていく様子をとても読みやすい文体で描いています。その内容の割に嫌な気持ちにはならなかったです。自分はそこまで思いつめたことはないけれど少しその考え方も理解できてしまうところが怖いのでメンタル整えなければと思いました。2024/01/27
石橋陽子
24
主人公は世の中の流れに乗る事や世間と正面から向き合う事ができない。優しさを素直に受け止めれず上手く生きれないもどかしさから、誰にも理解されない独自のテーマを持とうとする。苦しみに耐える事、打ち勝つ事が人生の本分だと思う事でなんとか生きている。右へ倣えで不本意な人生を受け入れるより、どうするかは自分で決めたい。分かり合うとか理想であり無理に寄り添う事ない。みんなそんな事を考えて生きているのかと肩の荷が降りる作品だった。みんな他人の事を思いやれる、暗黙の了解の分かる大人だと信じていたけどそうでもないのが世の中2024/08/08




