自分以外全員他人

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自分以外全員他人

  • 著者名:西村亨【著者】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2024/02発売)
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  • ポイント 390pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480805157

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内容説明

マッサージ店で勤務する柳田譲、44歳、独身。傷つきやすく人付き合いが苦手な彼の心を迷惑な客や俗悪な同僚、老いた母や義父が削り取っていく。自分が暴発してしまうまえに自死することだけが希望となった柳田をさらに世界の図らざる悪意が翻弄する――。第39回太宰治賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

uniemo

25
初読みの作家さん。太宰治賞受賞作ということだから新人の方なのかな。周囲の様々なことに敏感で癖のある考え方で生き難そうな主人公がどんどん破滅に向かっていく様子をとても読みやすい文体で描いています。その内容の割に嫌な気持ちにはならなかったです。自分はそこまで思いつめたことはないけれど少しその考え方も理解できてしまうところが怖いのでメンタル整えなければと思いました。2024/01/27

Gemi

19
図書館へ予約した本を取りに行くついでに新刊の並ぶ棚を物色していると、やけに目に付いたこの本。知らない作者、厚みのなさ、太宰治賞…ま、期待薄だけど何故か気になるので借りてみることに。読み始めると…ん、んー…ん?面白いじゃあないか。マッサージ店で働く44歳の柳田譲は世の中にイラついている。そしていつか自分が暴発して家族に迷惑をかけてしまう前に死のうと思っている。正確に言うと死ぬのではなく生きるのをやめようと考えている。この考え方、発想は割と共感できてしまう部分が多々あった。自分もヤバいのか?と考えさせられた。2024/03/02

りょうけん

19
<能> 久しぶりに純文学系の本を手に取る。題名にちょっと惹かれたから。で,なぜかこの手の純文系の本は薄手で それが「ん,読んでみようかなぁ」という衝動にもつながる。薄い本は基本読み易い,と僕は思っている。物理的重量的にはそれは間違いない事であって分厚く重い本は読み出すのに決心がいる。でもまあそれは今回の様な初めて読む作家の本の場合で 贔屓筋の作家の場合は例えいつも分厚い京極本でも面白い事が最初から分かっているので迷わず読むが。 2024/01/29

まるよし

14
ふぅー。一気に読んでしまった。死にたい主人公の心のひだを丁寧に綴っている。静かな破滅を希望するが故に、日々、善良に生きようとする。日常に潜む受け入れ難さの存在、ポリシーの軋轢に悩むのは皆に共通するだろう。多くの人に共感されるとおもうが、本当の鬱傾向の人は読んじゃダメ。2023/12/17

さけ!

12
☆☆☆☆☆ 終わり方があんまりだったけど…これはすごい本だった。4日目にして今年一番かもしれない。まず装丁、かっこよすぎ。ストーリーも太宰治賞納得の退廃的で自己の存在意義を問うような、暗く鬱々とした、とても好みのものだった。李龍徳さんをはじめて読んだときと同じ気持ち。「どこにも理想的な場所なんて無いのかもしれない。妥協しながら生きるには、生に対する執着が弱すぎた。」が印象的。生きづらい、どうしてみんな自分のことばかり。他人を憎む気持ちと夕子さんを好きだった気持ちはおんなじ人間の中にあったのにね。つらい。2024/01/04

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