母を捨てる

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母を捨てる

  • ISBN:9784833425261

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内容説明

【内容紹介】
虐待、いじめ、家庭内暴力、無理心中未遂
毒母との38 年の愛憎を描いた壮絶ノンフィクション

私は何度も何度も、母に殺された――。 
私の頭には、いつも母があった。
しかし、母と縁を切ってからは、自由になれた。

ノンフィクション作家である著者は、かつて実の母から虐待を受けていた。

教育虐待、折檻、無理心中未遂 。肉体的、精神的ネグレクトなど、あらゆる虐待を受けながら、母を殺したいほど憎むと同時に、ずっと「母に認めてもらいたい」という呪縛に囚われてきた。

その呪いは大人になってからも著者を縛り、ノンフィクション作家となって孤独死の現場を取材するようになったのも、子どもの頃の母の虐待が根源にあることに気づく。

そこで見たのは、自信と同じように親に苦しめられた人たちの“生きづらさの痕跡”だった 。

虐待サバイバーの著者が、親の呪縛から逃れるため、人生を賭けて「母を捨てる」までの軌跡を描いた壮絶ノンフィクション。
【著者紹介】
[著]菅野 久美子(かんの・くみこ) 
ノンフィクション作家・エッセイスト。
1982年生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。大学卒業後はアダルト系出版社に就職、SM雑誌の編集に携わる。その後、独立し、フリーライターへ転身。
主な執筆テーマは、性と死、家族問題。自ら毒親問題に苦しんだ経験から、近年は親に苦しめられた子どもと、その親の最期を引き受ける家族代行ビジネスを取材・執筆。その知られざる実態を書籍やWeb媒体などで発信し、メディアで大きな話題になった。
著書に『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)、『ルポ 女性用風俗』(ちくま新書)、『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』(角川新書)、『生きづらさ時代』(双葉社)など多数。
【目次抜粋】
プロローグ

◆第一章 光の監獄
・私は何度も何度も、母に「殺された」
・無限に続く処刑のループ
・風呂場の白い光
◆第二章 打ち上げ花火
・四歳の殺人未遂
・教育虐待
・母の「トクベツ」になれた日
・天才のふりをしたピエロ
◆第三章 機能不全家族
・台風の夜のドライブ
・人生が二度あれば
・新興宗教にハマった母
・母の発狂と声なき叫び
◆第四章 スクールカースト最底辺
・クラス全員からのいじめ
・引きこもりのはじまり
・母の首を絞めた日
・不在の父の癇癪
◆第五章 金属のカプセル
・酒鬼薔薇聖斗は私だったかもしれない
・『エヴァ』シンジとのシンクロ
・たった一人の卒業式
・五〇〇円のミニスカート
◆第六章 母の見えない傷
・母が父に見た「かつての自分」
・結婚という牢獄
・無理心中未遂
・ハルキストの父
◆第七章 性と死
・衣装箪笥の悪夢
・SMと母への思い
・「普通の人生」を生きたかった
・孤独死と私の共通点
◆第八章 母を捨てる
・毒親の最期を押しつけられる子どもたち
・「家族代行ビジネス」の仕掛け人になる
・母とストリップ劇場に行く
・母が私に遺してくれたもの
エピローグ 私の中の少女へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

49
これまで著者の作品を飽きずに読んできたが、これはかなり衝撃的。すべてを吐き出したとも思える赤裸々な叫びは、著者の魂の奥底に巣食う生き方の真髄に触れるような迫り方。孤独死やセフレネグレクトの背景に親問題があるという実態は案外知られていないが、本書を読み進めるとそのつながりが否応なく見えてくる。毒親になった理由は様々だろうが、常軌を逸した子への虐待はあってはならない。まして、夜な夜な般若の面相で包丁を振り回す。さぞ怖かっただろう。子が親の面倒を見るという旧態依然の血縁主義の社会システムは、古来より続く⇒2024/10/01

ぽてち

36
“虐待サバイバー”である著者が、自らの体験を赤裸々に綴った本。……なのだが、書かれている虐待内容の割にあまり切迫感が感じられなかった。幼少期にあれだけのことをされてなお、母に認めてほしいと願うものなのか。その後も大学生になるまで実家で暮らしていたりと、これまで読んできた他の方の告白手記とはだいぶ異なる。最大の問題は、「虐待」という言葉を使いながら、その行為を認めてしまっていることだ。どんな理由があろうと、親が子に対してふるう暴力は許されない。最後まで読んで、タイトルの「捨てる」の意味が腑に落ちた。2024/02/17

雪だるま

18
生きてて良かった。著者自身もその母親も。幼少期からの壮絶な虐待とネグレクト、更に学校でのいじめ。家でも学校でも居場所がない辛い思いをしていた久美子ちゃんが大人になってもその頃の心の呪縛から逃れることができないで苦しんでいるのが伝わってきた。親を選ぶことはできないのにどんなに虐待されても心の底では愛されたいという気持ちを捨てられない。そういう思いを抱いて苦しんでいる人がたくさんいて、自分も含めてそういう人たちを救う道を作っていこうとする筆者を凄い人だと思う。そして、著者が母を捨てることができて良かった。2024/03/15

beniko

10
私の両親は毒親では全くなく、経済的には豊かではなかったけれども愛情と手間暇は十分にかけて育ててくれた。両親の、特に母の死に打ちのめされ、足もとが揺らぐような悲しみを感じたことは実はとても幸せなことだったのだと本書を読んで思いました。筆者が受けた虐待は壮絶で読むのもつらい。子の側にとっては人生にかかわるほどの蛮行を、母親本人に行った自覚がないことの罪は重い。虐待をする親が虐待しっぱなしではなく、仲のいい親子である時間もあるから、親を捨てる決断は本当につらいだろうと思う。親との関係がこれほどまでに子の人生に+2025/03/21

れに

10
んもー、めっちゃわかる。共感の嵐。毒親ってさ、どこまで私たちの人生に食い込んできて、影響してきて、いつまで私たちのことを苦しめ続けるんだろうねって常々思う。大人になって決別したからはい、終わり!じゃないんだよな。色々なトラウマや障害をたくさん植え付けていって生涯子どもの人生の邪魔をする。もはやそこに存在していなくても。それがまさに毒親ってやつだよなーと痛感させられる読書タイムでした。悲しいかな、やっぱ毒親って連鎖するのよね〜。だからサバイバーは子どもを産まない選択をしがち。それもちゃんちゃら不公平だよな。2025/02/18

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