内容説明
2004年から毎日新聞紙上でつづく書評から、選りすぐった名文を厳選した読書案内第二弾。脳科学から生物学、経済学、小説まで――脳をゆさぶる本の本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
102
毎日新聞に掲載された養老先生の書評集。先生は、取り上げる本の選定基準を「現実あるいは事実と、それに関する考察の釣り合い」だと言う。心と身体/自然と環境/歴史と社会の3つの部門に分けて55本の書評が収録されているが、私との共読はたった7冊。昆虫を含む生物学・医学系の書籍が2/3を占めるから、自分とは対象が重ならないのだろう。養老先生の書評は、内容のエッセンスを巧みに紹介した上で、評者のコメントをズバリというもので、正に「事実と考察の釣り合い」が絶妙である。いい書評を読むと、読みたい本が増えるから困る…。2024/03/23
岡本 正行
74
だいぶ前に読み終えた本、養老孟司さんは、好きな作家の一人だ。対談というのは、好きではない。云っていることがストレートに伝わってこない。その場の雰囲気を合って話が進むから、ただ文字だけ残っていても、なんかしらける。私一人の個人的感想だけれども、好きではない。一人の著者が、あれやこれや、「はじめに」とかプロローグなんてのから始めて、第1章から12章まで流れて、いいたい放題、その人の考え方の流れで文章で書いてほしい。異論はあっても、その人なりの文脈で理解できる。時間をかけて考える、そのこと自体はいい。2024/10/13
けんとまん1007
71
養老先生が読んだ本。なかなかの質・量で、さすがだなあ~と、思いつつ、歯ごたえのありそうなのばかり。既読の本は、ゼロでなかったのが、ほっとする部分もある。気が付くと、お手軽なものに手が伸びそうになってしますが、やっぱり、ガツンとくるものも必要だと再認識。さてさて、どれにしようかな。。。2024/06/02
ジョンノレン
63
養老氏が毎日新聞に長年掲載してきた全55冊の書評。C.ロヴェッリ他、私自身既読も結構ありおこがましいけど、ちゃっかり擦り合わせも。氏は例の通り肩の力が抜けていてオーソドックス。「心と身体」の19冊と「自然と環境」20冊は比較的にテーマのメインストリート系の選択で個人的にも関心深い分野でもあり、図書館予約候補多数。これに対し「歴史と社会」16冊はより氏の個人的な嗜好や関心事が濃厚で唯一のフィクション、スティーブン・キングの悪霊島も。AIや政治系もあるが氏の書評でお腹いっぱいだったり、政治に関しては様変わり。2025/03/21
スリカータ
18
養老孟司先生の本をもっと読みたくなり、手に取った。読書論と題しているが、連載された書評集だった。既読の本が数冊で、大半は知らない本だが、養老先生のネタバレ加減が絶妙なのでつい気になって読みたくなる。私が直に読んだら難しくて解らない本でも、養老先生の書評から入ると解りそうな気がしてしまう。頭の良い人は噛み砕いて説明するのに長けていると感服した。2024/04/25