内容説明
ノーベル平和賞候補者が綴る初の活動軌跡。
48歳で小児歯科の開業医を辞して、世界最貧国といわれる西アフリカのマリ共和国へ単身渡航、30余年にわたる破天荒なボランティア人生へと転身を遂げた、ノーベル平和賞2020年候補者・村上一枝氏初の著書。
それまでの生き方を変えてゼロからの出発をし、特定非営利活動法人(現在は任意団体)カラ=西アフリカ農村自立協力会を立ち上げてからは、マリの農村地域の人々と多岐にわたる自立支援活動を行う。それは、自分が学んできたことや得てきたことものを、活動を通して少しずつ返していき、ゼロになって人生を終える道を選ぶことでもあるという。
実際、村民の識字率と就学率を上げる教育の普及、助産師の育成と助産院・診療所の設立、女性の生活改善、所得の向上をほぼ同時進行で実施し、運営管理は地域住民に任せるという画期的な活動により、「支援に頼らないで自立した生活」を構築。マリの未来に光を当て女性の地位向上につなげた。
著者は常に本質を伝え、約束を守り、マリの人々の信頼を得ていった。「視野が広い発想と行動力」「人を巻き込む指導力」「成果につなげる忍耐力」で向き合う経験の数々は、読者の人生観を心地よく刺激することだろう。
※この作品はカラーが含まれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
53
そこに暮らす人たちを支援するには・・。その人たちとの関わり方を、どう考えるかで、やり方だけでなく、随分変わるものが多い。サブタイトルにある「自立」の2文字の意味を、改めて考えた。知識、経験、技術、ものの考え方・取り組み方、いかにして自分たちで継続できるかを、考えたうえで関わりを持つ。もちろん、そのためには、相手を文化を歴史を知ることが必要。これは、福祉・共生ということにつながる視点・思想。2024/09/16
linbose
2
★★★★☆著者はマリ共和国で30年にわたり支援活動に従事。支援内容は、識字指導、裁縫や菜園作り、産院の設置、衛生指導、マラリア・寄生虫対策など広範にわたる▼その活動の基本姿勢は「自立」。物やお金を与えるのではなく、住民が自ら考え作り上げる自立した生活への支援が重要であることはよく言われることだが、その徹底した実行とその実際がよく分かる▼イスラム過激派による紛争で現地活動を停止せざるを得なくなったことは痛恨であろうが、著者は、これまで培ってきた自立の土壌により、必ずや荒廃から立ち直ると希望をつないでいる2024/05/26
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