内容説明
数学はそれ単体で進化したのではない。各々の文明圏から生じ、征服と同化を繰り返しながら一つの「世界の数学」に収斂していく文化的征服史といえる。歴史の流れの中で数学をとらえ、新しい数学観を見出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もぐもぐ
35
想像してたよりガチな数学の本でしたが、古来から世界中で考えられた独自の数学的思想が興味深く、歴史的な背景による数学の発展になるほど、と。久しぶりに数学の美しさとロマンに浸れました。こんな講義受けてみたい😊2024/07/07
J
10
★★★☆☆ タイトルどおり数学の世界史。4大文明を中心にどんな数学がどこで発展したかが語られる。もう少し現代数学の歴史も知りたかったが、そこは最後の章で駆け足で触れられておしまい。ページ数多い割にはさくっと読めます。2024/10/06
きゅうくつ
10
さすがの加藤先生、わかりやすくおもしろく、とても楽しく読んだ。各章の終わりに「まとめ」があるのが親切。しかしやはり現代数学の話は難しい。雰囲気というか、風味を感じた気になるので精一杯。そんな気にさせてくれることにむしろ感謝。2024/06/26
そんれい
9
面白い✨数学と歴史と哲学の融合。学生時代に出会えていたら……数学はどう変わっていくのか?「空間的直観と論理・計算の融合による、新しい普遍数字の姿」 2024/07/07
みのくま
9
四大文明で高度な数学が発達し、紆余曲折ののち西洋数学に収斂していく。現代は西洋数学一強の時代であるわけだ。なぜ数学は一つに収斂してしまうのだろうか。表層的に考察すれば普遍性とか絶対的な正しさみたいなものが数学には具備されているからと答えざるを得ないだろう。だがもう少し深く考えてみたい。例えば普遍性や正しさの背景に、人類共通の条件があるのではないか。手指が10本とか目が二つとか身長が大体同じとか、そういう条件から普遍性や正しさが生成されているのではないか。数学は人類の根本性を暴き出す助けになるのかもしれない2024/03/22