いのちの選別はどうして起こるのか──ER緊急救命室から見たアメリカ

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いのちの選別はどうして起こるのか──ER緊急救命室から見たアメリカ

  • ISBN:9784750518305

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内容説明

《 シカゴ大学の緊急救命医が告発する[人種差別×医療格差 ]の実態 》
「差別と貧困」が医療ケアに爪を立てる日常に挑み続けた、あるシカゴER医師の葛藤と前進、そして憤懣と挑戦に満ちた熱きドキュメント。


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〈 格差が分断する、医療という名の戦場 〉

通院するカネがなくて病状を悪化させた者、銃撃事件に巻き込まれた者、麻薬中毒者……。
救命救急室に担ぎ込まれるのは、社会構造と医療保険制度から取りこぼされた貧困層の黒人ばかり。

──アメリカ型資本主義の価値観は医療システムの中に勝者と敗者を生み続け、“敗者のいのち” は常に軽んじられてしまう。

社会で正義がおこなわれないかぎり、医療もまた、正当に人を救えるものにはなりえない。
これは、私たち日本人にとっても対岸の火事ではない。

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〈序文寄稿〉タナハシ・コーツ(2016年タイム誌『世界で最も影響力のある100人』選出)

「本書は、パンデミックさなかのERの1年を描いているのみならず、複雑な医療システム全体、そしてそれを捻じ曲げる分配の不平等について果敢に検証する。思い出してほしいのは、新型コロナウイルスの流行が始まったばかりの頃、ウイルスには〝肌の色は無関係?と言われていたことだ。たぶん、本物の危機にあっては、人間誰もが共有する弱さを克服するため、誰もが立場を超えて力を合わせることになる、そう信じたかったのだろう。

しかし、それから3年が経過した今、黒人とラテン系の人々はこのパンデミックのあいだに平均寿命が3年も短くなった。これは白人の3倍に当たる。あの時点で予想してしかるべきだったのだ。そして今こそ、利口になるべきだ」

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〈訳者〉宮﨑真紀(「訳者あとがき」より)

全編を通して、ドラマ『ER』さながら救急医療現場に緊張感と切迫感がみなぎり、黒人コミュニティを少しでも癒そうとする著者の情熱と不平等への怒りが満ちあふれていて、読む者を圧倒する。そして、格差構造の根深さをあらためて思い知らされる。いや、日本でも、貧困層の無保険問題、地方と都市部の医療格差など、医療環境に確かに深い溝が存在していることを忘れてはならないだろう」

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【目次】
■序文……タナハシ・コーツ 
■1………2020年2月 
■2………2020年3月
■3………ジャネットへの手紙
■4………2019年11月(パンデミックの前)
■5………ニコールへの手紙
■6………2020年5月
■7………ロバートへの手紙
■8………2020年7月4日
■9………ダニアへの手紙
■10………2020年8月
■11………リチャードへの手紙
■12………2020年9月
■13………フェイヴァースさんへの手紙
■14………2020年11月
■15………母への手紙
■謝辞
■訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

zoe

15
The Emergency (2022). 治療の優先順位はどのように決まるのか?どんな保険に入っているかなのか?社会的地位なのか?人種でも優先順位が違うのか?MBAホルダーは当たりさわりのないワードを選択しつつも、効率的に治療ができるように部屋数やスタッフの配分を行う。そして、利益を最大化するように選定するデシジョンフローを描く。容態の重症度からの優先順位とは限らない。著者は、そのようなマネジメントシステムについて批判し、重症度で治療優先順位を決める方法を対案として出す。2024/03/06

石橋陽子

12
コロナ以前からのアメリカのER事情を描く。米の資本主義の価値観は医療システムの中に勝者と敗者を生み、命の選別が行われている。アフリカ系アメリカ人はどこでも最下位ランク。コロナ禍で黒人の死亡率が驚異的に高いそう。また、生まれた環境で健康状態が決まる。幼少期発達度、教育、差別経験、文化度の要素が人の健康に影響を与える。ERに運ばれてくる人の病気を生み出すのは無知識や貧困からのエンプティカロリー食という裏側がある。病院はアメリカそのものの鏡像との言葉が胸に刺さる。決して他国のことでは無い。日本もまた同じだと思う2024/04/28

かしこ

3
アメリカのノンフィクションが好きであるが、それは貧富の差が物凄く、貧しい人々が銃で撃ち合い、麻薬の過剰摂取で死んでいくのを読んで消費しているだけではないか。こうした本を書く人は努力した高学歴のアメリカ人で、同胞の人生の問題が良くなるように尽くしているというのに、読者の私ときたら…… 著者はシカゴのERで働く黒人の医者。銃で撃たれた人、交通事故にあった人、職場の事故、病気、自傷と運び込まれる患者は選べない。コロナ禍で神経がまいっていく様子、アメリカの保険の不平等、黒人の境遇、頑張りで乗り切るしかないの?2024/10/20

ちもころ

2
シカゴ大のERで働く黒人緊急救命医が医療現場における黒人に対する不条理を描く。大学のエリート医師でさえ当事者として感じるアメリカの人種格差に胸が苦しくなる。それでも前進あるのみ、と同胞を、自身を励ます姿勢にエールを!2024/04/30

りょょょょょ

1
題名から、医療の倫理にふれる教科書のようなものだと思っていたが、原題はThe emergencyとなっており、救命救急ではたらく医師の話だった。 医師は黒人の多いシカゴ大学病院の救命救急で働き、長い待ち時間と平等でない医療資源に憤っている。 アメリカの医療の問題に触れることができた。2024/03/23

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