内容説明
寂びることなく、未踏の旅へ
次代の新しい表現を切りひらく芭蕉論
芭蕉の俳句は、言葉で一つの世界を創り出そうとする強靭な意思に満ちあふれている。
子規・虚子らの近代以降の俳句観によって、実作者や研究者に注目されてこなかった「隠された芭蕉」の表現方法に注目し、次代の新しい表現を切りひらく芭蕉論。
目次
芭蕉、寂びることなく ―感情表現
未踏の旅へ ―時間表現
いかに読み応えを出すか ―比喩表現
失われた技術 ―風景描写
世界の不思議に目をみはる ―理屈を超えて
調和を拒む ―虚実
仮面の誠実 ―主体
重力からの解放 ―軽み
明るい器 ―死を詠む・その1
あの死者は我 ―死を詠む・その2
痛みの詩学 ―旅
価値を創り出す ―笑い
十七音の俳論 ―俳句で俳句を語る
主要参考文献
あとがき