内容説明
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安西水丸、幻の未発表小説を初めて書籍化。
ニューヨークからパリ、リスボン、マドリード、ローマへ。イラストレーターである主人公のモノローグと日本にいる恋人への手紙、そして現地でのさまざまな出会い……。これまで日の目をみることのなかった幻の小説「1フランの月」(未完)を没後10年となる2024年春に初めて書籍化。「旅」をテーマにした未刊行エッセイ、イラスト、スケッチなどを加え、懐かしくも新しい、イラストレーター/作家・安西水丸の世界をこの一冊に凝縮。
※この作品はカラーが含まれます。
(底本 2024年2月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
179
久々の安西 水丸です。著者没後10年、幻の未発表小説『1フランの月』の初めて書籍化ということで読みました。 オススメは、やはり表題小説『1フランの月』(但し、未完)&旅のイラスト・エッセイ『オン・ザ・ロード タヒチ ゴーギャンを辿って』です。しかし緩いイメージの著者がドメスティックではなく、インターナショナルだとは思いませんでした。また『1フランの月』には村上龍的な要素も含まれていました。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002499.000013640.html2024/04/06
ワッピー
30
たまたま通りかかった谷中のギャラリーで購入。安西氏の未発表にして未完の小説「1フランの月」、エッセイ「ぼくの宝もの」、旅のスケッチ「オン・ザ・ロード」を収録。エッセイとスケッチ、そして小説にもカラーイラストがついた贅沢な一冊。小説については60~70年代に海外に出た日本人青年の不安と欲求と行動を描いていますが、五木寛之の小説にも通じる共通の時代観のようにも思いました。読了しても、「1フランの月」というタイトルにつながる線は見えませんが、未完のゆえに読者に委ねられた「未だ塗られない白い道」かも知れません。2026/05/31
練りようかん
15
小説、イラストとエッセイ、カラー写真付き旅の記録が詰まった1冊。エッフェル塔を遠くから見たときの例えに笑いながら頷き、暮らしていたNYを離れポルトガルやイタリアをまわる生活と観察が気分をゆったりとさせていく心地よい筆致。最後は怖いのだがそれも含めて行きの飛行機内で読んだら最高だなと思う素敵な小説だった。イラストの中で心奪われたのは観覧車の入ったスノードーム。水丸氏さんが描く可愛いらしさは線にあるなと再発見が楽しかった。水平線も、青と緑の配分も滋味深い。お亡くなりになってもう10年も経つのかとしみじみした。2025/03/08
春ドーナツ
14
水丸さんの訃報に接したとき、図書館でひたすら画伯の本を借りまくり、むせび読んだ。YouTubeで何かないかと探したことも思い出す。あれから10年経ったのだ。WEB本の雑誌の新刊案内からのリンクで書誌情報を目にしたとき、驚いた。まだ数年前の話だと思い込んでいたから。今月いっぱいで閉店となる近所の村上書店にお願いして取り寄せてもらった。入口の貼り紙にも打ちのめされた。漫画「普通の人」も村上さんのお世話になったことを、書きながら思い出す。表題作の未完の小説は、というか水丸さんの小説を初めて読んだ。意外な展開で、2024/03/05
paluko
11
表題作「1フランの月」は未完の小説。他にエッセイ「ぼくの宝もの」、旅のスケッチ「オン・ザ・ロード」を収録。小説の舞台になっている1970年代のヨーロッパは胸が痛くなるような憧れの地。事前情報が極めてすくないので異世界感がものすごい。マドリッドのグラン・ビアは当時「ホセ・アントニオ通り」と呼ばれていたことを初めて知った。1981年に単にグラン・ビアと呼ばれるように変わったらしい。謎の両刀使い膳所成一、「オルレアンの噂」さながらの日本女性失踪事件など出てきて一体どうなるのか…? というところで幕。2026/05/05




