内容説明
世界で唯一の貴族院が存続する国、イギリス。隣国から流れる革命の風、戦争による後継者不足、法外な相続税による財産減少――幾度もの危機に瀕しながらなお、大英帝国を支え続ける貴族たちのたくましさはどこから生まれたのか。「持てる者」の知られざる困難と苦悩を辿りながら、千年を超えて受け継がれるノブレス・オブリージュの本質に迫る。イギリス研究の第一人者が明かす、驚くべき生存戦略。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
41
世界で唯一の貴族院が存続する国イギリス。持てる者の知られざる困難と苦悩を辿りながら、千年を超えて受け継がれるノブレス・オブリージュの本質に迫った1冊。イギリス貴族はどのようにして生まれたのか。議会政治の支配者、外交と帝国の中枢、経済の牽引役、地域社会の要、文化の発信者といった歴史の担い手として、著名な公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵家をそれぞれ紹介しながら、隣国から流れる革命の風、戦争による後継者不足、法外な相続税による財産減少といった過酷な状況を現代まで生き延びてきたイギリス貴族の凄みを垣間見る思いでした。2024/04/18
オールド・ボリシェビク
3
イギリス貴族というと、召使がたくさんいる優雅な生活という紋切り型のイメージを思い浮かべてしまうのだが、その内実は、現代においては大変なようだ。また、その地位にとなう義務(ノブレス・オブリージュ)として、戦時における死亡率は平民の3倍だそうだ。この新書はイギリス貴族の起源から説き起こし、現在における生き残り戦略を200㌻というコンパクトさでまとめている。2024/04/04
Myrmidon
2
同著者の『貴族とは何か』(自分は買ったけど未読)に合わせた軽めの読み物。簡単なイギリス貴族制の説明・歴史の紹介と、幾つかの貴族家を取り上げてその栄枯盛衰を語る。厳密な歴史学の記述ではなく、筆者の主観が入った内容(特に偏った主観ではないが)なので、軽めにパラパラ読むのがよいか。勿論、何も知らなかった自分には勉強になる部分も多い。2024/04/15
ながさか
1
イギリスには今も貴族がいる、というのは知っているし、ダウントン・アビーもちょっと観ていたけど、イギリス貴族とはなんぞやはほぼ知らなかったので、とても興味深く読めた。入門というタイトルにふさわしく、読みやすく分かりやすい。陞爵という言葉も初めて知った。千葉県より広い土地を持っていたとか埼玉県よりちょっと小さい土地を持っていたとか、不動産を持たない庶民からすると想像を絶する富豪ぶりに腰が抜けそう。2024/04/08
ナポレオン井上
0
貴族院のことなどがよくわかった。2024/04/27