内容説明
世界で唯一の貴族院が存続する国、イギリス。隣国から流れる革命の風、戦争による後継者不足、法外な相続税による財産減少――幾度もの危機に瀕しながらなお、大英帝国を支え続ける貴族たちのたくましさはどこから生まれたのか。「持てる者」の知られざる困難と苦悩を辿りながら、千年を超えて受け継がれるノブレス・オブリージュの本質に迫る。イギリス研究の第一人者が明かす、驚くべき生存戦略。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
41
世界で唯一の貴族院が存続する国イギリス。持てる者の知られざる困難と苦悩を辿りながら、千年を超えて受け継がれるノブレス・オブリージュの本質に迫った1冊。イギリス貴族はどのようにして生まれたのか。議会政治の支配者、外交と帝国の中枢、経済の牽引役、地域社会の要、文化の発信者といった歴史の担い手として、著名な公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵家をそれぞれ紹介しながら、隣国から流れる革命の風、戦争による後継者不足、法外な相続税による財産減少といった過酷な状況を現代まで生き延びてきたイギリス貴族の凄みを垣間見る思いでした。2024/04/18
marty@もぶおん学
7
『貴族とは何か』(新潮選書)に続きいよいよ著者専門のイギリス貴族にスポットが当てられる待望の1冊。イギリスにおける貴族とはから始まり、彼らがイギリス史で果たしてきた政治・経済・文化等での役割が解説され、公侯伯子男からピックアップされた一族の事跡が紹介され、さらに一代男爵の導入や変容した貴族院の役割など近年の動向もフォローされており、コンパクトながらイギリス貴族の全体像が学べる。大英帝国最盛期に首相を務めたソールズベリ侯爵の末裔が現在も貴族院で活躍しているあたりに、イギリス貴族のしぶとさが感じられる。2024/06/23
オールド・ボリシェビク
3
イギリス貴族というと、召使がたくさんいる優雅な生活という紋切り型のイメージを思い浮かべてしまうのだが、その内実は、現代においては大変なようだ。また、その地位にとなう義務(ノブレス・オブリージュ)として、戦時における死亡率は平民の3倍だそうだ。この新書はイギリス貴族の起源から説き起こし、現在における生き残り戦略を200㌻というコンパクトさでまとめている。2024/04/04
Myrmidon
2
同著者の『貴族とは何か』(自分は買ったけど未読)に合わせた軽めの読み物。簡単なイギリス貴族制の説明・歴史の紹介と、幾つかの貴族家を取り上げてその栄枯盛衰を語る。厳密な歴史学の記述ではなく、筆者の主観が入った内容(特に偏った主観ではないが)なので、軽めにパラパラ読むのがよいか。勿論、何も知らなかった自分には勉強になる部分も多い。2024/04/15
shushu
1
イギリス貴族制度の歴史的経緯、政治への関与等をまとめた本。欧州の他国で貴族制度が廃れた後も、一代貴族制度、一代限りの爵位返上等を考案し、貴族制度が生き延びているイギリスを面白く思った。が、個々の貴族を取りあげた最終章でマウントバッテン卿を扱っているが、彼は昭和天皇が訪欧した際歓迎晩餐会への出席を拒んだことが抜けているのはどういうわけか?Wikiによると“Japan is not invited to Lord Mountbatten's Funeral”.だそうだし。一気に評価が下がった。2024/07/07
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