内容説明
中国四千年の
余白を楽しむ
大人のマンガ
奇妙でおかしな中国怪異譚を描いた、南伸坊の中国マンガ全作品。新作描き下ろし作品、インタビュー「私のマンガ」も収録。
・『仙人の壺』『李白の月』より全作品
・新規描き下ろし作品
・インタビュー「私のマンガ」
・解説 北村薫 夏目房之介
「一本の線、あるいは余白が、何と雄弁なことか」北村薫
「戦後日本マンガにおいて稀有な、大人のための達人的趣味漫画」夏目房之介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
101
中国の古い奇談を元にした漫画集。こういう短くて不可思議で唖然となる話は好物。それを伸坊さんの愛嬌ある味わい深い絵で読めるとなるともう堪らない。34篇たっぷりと堪能した。多くの話に仙人が出てくる。でも人生観を諭すように説教臭いわけではない。むしろ訳が分からぬ終わり方をする。それがまた良いのだ。世の中、道理ばかりが全てではないよなあと、気持ちが大らかになった気がする。著者の飄然とした絵(たまに妙に色っぽい)と自在な解説文を合わせて読むとさらにそう思う。「家の怪」で拱手した後の猫と家人が並んで見せる表情がいい。2024/02/28