内容説明
平安初期に景戒によって善悪、奇跡や怪異などを描いた最古の説話集「日本霊異記」と、鎌倉初期の鴨長明による仏教説話「発心集」。古典新訳に定評のある詩人・伊藤比呂美が両作品から厳選、渾身の新訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
14
日本霊異記を読みたいと思っていたところ、河出文庫にあったので購入。しかし、ふつうは3冊あるよなあ、薄いなあと思ったら、抜粋版だった。◇なんか訳が直接的だけど、そうやって書かれていたのだろうね。おおらかというか、面白い。◇発心集を読むと、「うーむ、やはり煩悩が多い」ということに気が付かされる。自分にある嫌な性格とかが見えてきて反省中。そういう意味でも、たまに読むとよいかもしれない。2024/08/09
fseigojp
8
詩人の訳した霊異記 ファンタジーでよかった 2025/03/22
京橋ハナコ
2
共に仏教説話集の抜粋。これを読んで信心するほど心がきれいでないのだが、そうだなと納得する部分もあり。「善にそむくわけでもないが、悪を離れるわけでもない」全くその通り。2025/03/23
mercury
2
聊斎志異のような内容を期待して読んだが、平安時代の景戒と鴨長明による仏教の教え、行、因果等について、短い物語から伝えようとするものだった。鴨長明のようなインテリが語り、ものによっては注釈までついている。面白い。平安時代の人はこういうことを信じて生きていたのか。死が汚れというのはこんな風に市井の生活にも影響を与えるのかとわかりやすい。2024/06/29
二木康全
2
仏教説話集と聞くと、お堅い話を想像される方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実際に読んでみますと、エログロ話も含まれており、意外な印象を受けました。2024/05/18