内容説明
大不振のイチローをもっとも心配した男たちの物語。 記録に挑み、記憶に残るプロ選手の一挙手一投足を支える道具は、いかにして作られるか? イチロー、松井ら超一流選手のバット、グラブを作り続けた男たちの感動秘話!
イチロー&松井秀喜「独占インタビュー」収録! 「超一流の使い手」と「超一流の作り手」がしのぎを削る。
自信がないのは論外。過信も困るーー。
50~60個のグラブを「練習用」としてさえ受け取り拒否し、「名人を継ぐ覚悟」を問うイチロー。バットのグリップを1ミリ単位で調整し、「名人越え」を期待する松井。「からだの一部」と化す究極の道具を求め、あくなき要求を続ける。熟練の技術で応える男たちだけが知る「誇り」と「重責」ーー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
17
元中日監督の落合さんは、選手として一流だった理由がよくわかった。バット職人が全く同じに作った2本のバットを触っているだけなのに「太さが違う」と言ってきたので、まさかと思い測ってみたら0.2mm細かった、と。そんな微妙な違いがわかるプロの打者と、その違いを極力抑え込むプロのバット職人が正面から向き合う姿が、真のプロの世界なんだな、と実感した。2013/04/03
小木ハム
10
道具を作る人と、道具を使う人の気持ち。ミズノに所属するバットとグラブ職人四名に密着取材。プロスポーツの領域になると、道具には型通りの良い悪いがなく『フィーリング』が最も重視される。自分のからだの一部と感じられること、これは私達が普段接する衣服や家具にも通じることかもしれない。そして作り手は黒衣(くろこ)に徹する。こうしたほうがいいのでは…という感情は押し込めて、選手が希望するものを作る。選手の手助けに徹する。人間のエゴで選別し消費される、樹木と食用牛への感謝の念も忘れずに。2022/03/02
Humbaba
9
野球において,バットとグラブは必要不可欠なものである.そして,プロともなればそれらに対して妥協をすることはない.作り手はあくまでも黒子であるが,黒子がなくては訳者も魅力あるプレーをすることは出来ない.2012/11/11
SU
2
落合博満さんがバット作り名人久保田さんにバットの太さが0.2mm違うと言ったくだりは圧巻。イチロー選手のグラブに対する拘りがあり、何回も作り直しさせてながらも、職人さんの為にも結果を出さなければならないという部分には感動しました。2014/02/21
由崎悠
1
グラブとバットを作る職人さんのお話。若干まとまりがないが、プロ野球の裏側を見るのはやはり面白い。2012/08/22