内容説明
「驚愕の一行」を経て、光り輝く異形の物語。
明治も終わりの頃である。病死した父が商っていた家業を継ぐため、東京から金沢にやってきた十七歳の菖子。どうやら父は「竜胆」という名の下で、夜の訪れと共にやってくる「おかととき」という怪異をもてなしていたようだ。
かくして二代目竜胆を襲名した菖子は、初めての宴の夜を迎える。おかとときを悦ばせるために行われる悪夢のような「遊び」の数々。何故、父はこのような商売を始めたのだろう? 怖いけど目を逸らせない魅惑的な地獄遊戯と、驚くべき物語の真実――。
応募総数4,467作品の頂点にして最大の問題作!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ
96
そういう展開か!とホントにビックリしながら読んでました。世界が全く変わって、ここから流れになるのか、ドキドキしながら読み進められましたし、終わり方も爽やかで良かったと思います。ファンタジーや心理的な要素が混ざり合って非日常的な感覚を楽しめる一冊です。2024/03/05
茜
73
タイトルからしてそうなんですが冒頭から半分ちょっとはファンタジー色強めでどうなっていくのか?と思い読んでいましたが二部目(?)に進むと「え?」となりました。そして、これはただのファンタジーではなく喪失と再生、救済の物語だと気付く。また、作中に出てくる「おかととき」は桔梗の古名だと知りました。そう言えば登場人物の名前は植物の名前が多い。ある場面の菖子の言葉が良かった。「優しさというのは奴隷のように振る舞うことではないわ」2024/06/10
オフィーリア
60
読み始めは美しいけど、残酷で不条理な和風ホラー。その恐ろしくて耽美な世界を気丈に生きる少女の物語はどんどん形を変えていく。大仕掛けがありながら、一貫して物語の力を信じ続けるというテーマが根底にある点が何より好きな点。素晴らしき救いの物語。2024/06/18
momonori
59
語ることによって、それまでボロボロにされ続けてきた心を再生しようとする物語。子は親の思うようには育たない。親の理想を子に押しつければ、子の心に歪みをもたらし、次第に心を蝕んでいく。子の再生には親の再生もまた必要なのであるが、現実には親は自分の生き方に固執し、おのれの生き様を否定することもなければ、改めようと思うこともない。であるから、きっとこの物語は、そんな未来もありうるという儚く美しい夢を描いた幻想譚なのだろう。現実には起こりえないからこそ、それが起きた物語を人々は求め、そこに美を感じるのかもしれない。2024/12/23
よっち
36
明治の終わり、病死した父が商っていた家業を継ぐため東京から金沢にやってきた十七歳の菖子が、二代目竜胆を襲名して怪異をもてなす魅惑的な地獄遊戯の物語。父が「竜胆」の名の下で、夜の訪れと共にやってくる「おかととき」で怪異をもてなしていた話を聞き、詳細を何も知らぬまま、初めて迎えた驚愕の宴の夜。戸惑いやためらいがさらなる悪循環に陥る地獄の光景に、なぜ父はこのような商売を始めたのかと思うのは当然の展開でしたけど、その事情が明らかになっていくと同時に、思ってもみなかった展開へと繋がってゆく結末が印象的な物語でした。2024/02/24
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