内容説明
世界は混迷のまま2024年を迎えた。そんな今こそ、古典的名著をひもとく好機ではないか。時に何百年、何世紀も前に書かれた作品もあり、言葉遣いや文化の違いから必ずしも読みやすいとは言えない。ただ内容の本質さえ読み解けば、文章はたちまち色彩を帯び、現代の私たちへ一助となる。第一線の研究者や経営者などを「水先案内人」に、今読むべき名著を紹介していく。名著・古典の知見が血肉になれば、それは人生の武器になるはずです。
本誌は『週刊東洋経済』2022年12月10日号掲載の30ページ分を電子化したものです。情報は底本編集当時のものです。その後の経済や社会への影響は反映されていません。
目次
混迷の時代を読み解く名著
『カラマーゾフの兄弟』で読むウクライナ戦争
INTERVIEW 『戦争論』が説くウクライナ善戦の背景
『韓非子』から考える現代中国の行く末
『小右記』に見る1000年前の疫病対策
『大衆の反逆』が鋭く問う現代の民主主義
COLUMN 古典を読む意義は「生活に不要」だから
『自由論』の思想は日本に定着しなかった
【私が薦める名著】
日本にはマキアヴェリ的君主が必要 ただ人事権などの濫用には注意(冨山和彦)
市場の“見えざる手”なき日本 今こそ原点に立ち返ろう(星野佳路)
生き残っていくビジネスは人間らしい顔をしている(田中優子)
世界の起業家が“東洋思想”に注目 イノベーションと古典は矛盾しない(出雲 充)
孔子の教えに逆らい日立を再生 “老人は気急なり”を経営の戒めに(川村 隆)
INTERVIEW 会社員を侵食する「ファスト教養」(レジー)
挫折しない哲学入門 「学び順」にはコツがある
漱石『こころ』を学ばない高校生
INTERVIEW 「わかった気」になる入門書にはご注意(秋満吉彦)