創元推理文庫<br> あの夏が教えてくれた

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創元推理文庫
あの夏が教えてくれた

  • ISBN:9784488136116

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内容説明

ボーディはミズーリ州の田舎町で暮らす15歳の少年。父を亡くし母親と淋しい日々を送っている。高校に馴染めず、友達は一人もいない。静かすぎるその町で、最近大事件が起きた。町最大の企業〈ライク工業〉に勤める黒人女性が、不審な失踪を遂げたのだ。そんなとき、ボーディが慕う隣人ホークを保安官が訪ねてくる。女性は実はホークの知人で、ふたりのあいだには噂があったという。思いがけない事件が、ボーディの日常に不穏な影を落とす―。現実に悩みつつ、少年は鮮やかに成長する。『償いの雪が降る』の著者が贈る、心震える青春ミステリ!/解説=古山裕樹

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

342
いよいよミステリの枠に収まらなくなってきているエスケンス第四段。スティーヴン・キングを彷彿とさせる、アメリカの片田舎での少年の成長を描く青春小説の色合いが強く、ミステリ要素はあまり重要ではない。にもかかわらず抜群に面白いのは、前後の作品との絶妙なリンクや、含蓄に富んだ会話とキャラ造形の為せる技。正直、ボーディはそこまで重要なキャラクターだと思っていなかったが、今後の作品での登場比重も高いのだろうか。その後も友情が続いていて、成長したトーマスが現代の物語に登場することを期待したい。2025/01/20

のぶ

106
爽やかな青春ミステリーだった。舞台はミズーリ州の田舎町ジェサップ。主人公のボーディはハイスクールの一年生。父を亡くし母親と寂しい日々を送っているが、高校に馴染めず、友達はいない。彼が住むその町で町最大の企業に勤める黒人女性が、不審な失踪を遂げる。そしてボーディは学校では黒人の少女をかばったことをきっかけに上級生に目をつけられてしまう。他にも多くのエピソードが描かれているが、ミステリーとしての主部は彼に見えないところで進行していって、それらの話がとても良い。友情や人種問題も盛り込まれていて、満足の一冊。2024/05/02

ナミのママ

99
ゆっくりと静かに始まったストーリーは、後半に怒涛と展開となり胸を熱くさせて終わった。著者の過去作品に登場するボーディが15歳の少年として主人公。実はもう1人のちの重要人物も登場する。小さな町、母子家庭で暮らすボーディはヒーローでなくいたずらもする普通の少年。その街の大人たちの間には人種差別が深く根づき、それが少年たちにも影を落としていた。かけがえのない友人を作り周囲の大人たちに見守られながらも、辛い経験して大人の階段を上っていく、まさに青春小説。4作目もとても良かった、この作家さんどの作品も好きだなぁ。2024/04/21

タツ フカガワ

97
1976年、人種差別の風潮が色濃く残るミズーリ州の田舎町で母親と暮らす15歳の少年ボーディが密かに学校を中退し家出を考えていたころ、町では黒人女性が勤務先から十数万ドルを横領して失踪する事件が起きていた。やがてボーディもこの事件に深く関わることに。『償いの雪が降る』『たとえ天が墜ちようとも』でロースクール教授/弁護士で登場した正義の人ボーディ・サンデンの少年時代を描いた哀切の青春ミステリー。エスケンスの語り口、好きだなあ。終盤は目頭押さえっぱなしでした。2024/04/23

オーウェン

76
「償いの雪が降る」に出ていた弁護士ボーディの少年時代の話。 母と共に暮らす中で、黒人女性が失踪する。 そして警官が訊問に来たのはボーディが親しくしていた隣人のホーク。 15歳ならではの悩みが等身大になっており、友人やいじめをする生徒たち。 そして大人が教える教訓。 後半にかけて陰惨な事件が起きていき、次々犠牲者が。 だからこそボーディは弁護士になる決意をするのだと。2024/07/12

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