創元推理文庫<br> 蝶として死す

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創元推理文庫
蝶として死す

  • 著者名:羽生飛鳥【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 東京創元社(2024/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488426217

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内容説明

一一八三年、源氏の木曾義仲軍が平家を破って都入りした。しかし、平清盛の異母弟・平頼盛は都落ちした一門と決別し、都に留まっていた。そんな頼盛は、彼を知恵者と聞いた義仲に「首がない五つの屍から恩人の屍を特定してほしい」と依頼され……。第15回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛」ほか全5編。清盛が都に放った童子は、なぜ惨殺されたのか? 遠く離れた場所にいたはずの大姫が、父・源頼朝の話の内容を言い当てられた秘密とは? 平清盛や源頼朝などの権力者たちと対峙しながら、推理力を武器に生き抜いた頼盛の生涯を描く連作集。/【目次】禿髪(かぶろ)殺し/葵前(あおいのまえ)哀れ/屍実盛(かばねさねもり)/弔千手(とむらいせんじゅ)/六代(ろくだい)秘話/あとがき/参考文献/解説=細谷正充

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Y.yamabuki

19
本格時代ミステリー。探偵役は平清盛の異母弟の平頼盛、実在の人物。年代順の章立てで、謎解きの相手は、清盛、高倉天皇、木曽義仲、源頼朝、北条時政と進んでいく。三話目の「屍実盛」は、主題の謎解きの他に、ここで頼盛の行動の理由が分かり、また弥平兵衛の想いが明かされる読み応えの有る一編。全編を通して平頼盛の生き方が浮かび上がる。知恵で源氏の時代まで生き延び家を護ったのは天晴れ。 2024/11/19

厚焼き玉子

6
平家物語もミステリも好きな私にとってなんとも嬉しい1冊。頼盛の知恵者としての鋭さと、家の子郎党を守るためという優しさと残酷さ、主人公のキャラクターとしてとても良い。高倉天皇とのやり取りでは思わず笑ってしまう面白い一面も。「蝶として死す」と言う題名の意味と頼盛の生き様とを考えて最後は胸が熱くなった。平家物語もこの作品もあくまでフィクションではあるけど、個人が埋もれやすい歴史のなかで、こんな生き様の人々が本当に居たかもしれないよなと思いを馳せるきっかけになるようなそんな物語が好き。2024/11/19

紅羽

5
舞台は平安時代の末期。平頼盛が様々な権力者達から難事件の解決を依頼される歴史ミステリ作品。平安時代、現代のような科学捜査や便利な道具もない時代に頼盛は自分の知識を元に事件を推理し解決していくストーリーは興味深く面白かった。姉妹編も是非読んでみたいです。2024/06/09

あき

4
時代が時代なだけに仕掛け自体は単純なんだけど、あの時代ではどのような謎解きになるのかって点が面白かった。池殿流一門の頭領として子郎党を守り切った主人公の生き様も興味深い。平家物語は吉川英治の新平家をさらっと読んだだけで、頼盛って出てたっけ?レベルなんでもう一度ちゃんと読んでみようか。2024/05/29

やー

2
ただ舞台を源平時代にした歴史ミステリではなく、平家物語にあるような諸行無常の世界をそのまま持ってきたような、雰囲気のある連作集だった。権力争いの時代背景も取り入れ、難しいと思いきや、家系図もあってとてもわかりやすい。清盛や頼朝など有名人たちの造形が想像上ではあってもとても豊かだ。不気味さが際立つ清盛、東国武士であるプライドを捨てきれない頼朝、一族を守ることを正義とした主人公頼盛、いずれも魅力的。作者の本はぜひ他も読んでみたい。 2025/02/05

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