岡村昭彦と死の思想 - 「いのち」を語り継ぐ場としてのホスピス

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岡村昭彦と死の思想 - 「いのち」を語り継ぐ場としてのホスピス

  • 著者名:高草木光一
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 岩波書店(2024/02発売)
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  • ISBN:9784000611077

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内容説明

ヴェトナム戦争などで活躍した報道写真家として,またホスピス運動の先駆者として,「いのち」の現場を見つめ続けた岡村昭彦(1929-85).彼が追い求めた理想のホスピス像とはいかなるものだったのか.「尊厳ある死」とは何か,「長くなった死の過程」をいかに主体的に生きうるか,という現代社会の切実な問いを解く鍵を秘めた岡村の思想と行動を鮮やかに描き出す.

目次

序章 岡村昭彦と「いのち」の現在
1 「尊厳死」ではない「尊厳ある死」
「尊厳死」とは何か/尊厳死法案をめぐる問題点/岡村昭彦と「尊厳ある死」
2 反権力、反学問のカリキュラム
『訪問インタビュー 岡村昭彦』/侏儒の世界/産学協同と寄付講座/寄付講座「現代の経済と消費生活」/岡村昭彦との再会
3 「いのち」の視点と一九六〇年代
小田実との「現代思想」/一九六〇年代の『ライフ』と岡村の認識/「いのちの救済」と「いのちへの侵犯」
第一章 伝記の空白――思考の基点を探る
1 岡村昭彦の人物像
岡村昭彦の会/本多勝一の岡村批判
2 恋人の死と若き日々の空白
渡辺淳一『阿寒に果つ』と加清純子の死/にせ医者稼業/加清家の人々/三つの伝記/伝記の空白
3 久保栄と歴史観の形成
民間学の系譜/久保栄における文学と歴史/『のぼり窯』と久保栄の自殺
4 基点としての部落解放問題
部落での生活/松本治一郎の英雄像/部落「解放」の意味
5 韓国へのまなざし
ヴェトナム戦争と韓国/韓国軍と朴寿南/金嬉老裁判/共生(一緒に住むこと)から
第二章 ヴェトナムからバイオエシックスへ
1 バイオエシックスの衝撃
2 「世界史のシッポ」をとらえるまで
「独自の歴史観」を求めて/ヴェトナムからアイルランドへ/「ヨーロッパ」と「アフリカ」
3 「神の水」をめぐる闘い
舞阪漁民闘争の頃/水俣からヴェトナムへ/ヴェトナムからTVAへ
4 バイオエシックスへの二つの視点
バイオエシックスと出会う/「インフォームド・コンセント」/「世界史の視点」と「弱者の視点」の融合/運動としてのバイオエシックス
第三章 「ホスピスへの遠い道」
1 ホスピスと安楽死
岡村昭彦とホスピス/太田典礼とホスピス/「死ぬ権利」の台頭/ラマートンの立場
2 語られざる安楽死
岡村の「安楽死」への言及/季羽倭文子との対談/コッター報告の核心
3 ソンダースとエイケンヘッドの間――ホスピスの源流を求めて
不在のメアリー・エイケンヘッド/近代ホスピスと疼痛コントロール/「日本式ホスピス」と和魂洋才/ホスピスの原点
4 ホスピス再考
『ホスピスへの遠い道』の構成要素/底流としての反権威/ホスピスの源流を求めて/ホスピス概念の転換、拡張/「ユートピア」としてのホスピス
第四章 演技としての看護
1 看護教育と演劇
2 市民運動としてのゼミナール
社史と伝記/岡村の方法/若い母親層の発掘/看護婦教育へ
3 二一世紀の看護婦像
演技としての看護/一九世紀の看護婦像への訣別/虚構のなかでの演技
4 ホームとコミュニティー
『ホスピスへの遠い道』の行方/ホスピスとコミュニティー/「聖なる牛を撃つ」
終章 「いのち」を語り継ぐ場を求めて
1 ホスピスと医療
岡村昭彦をどう評価するか/ホスピス・ケアとプライマリ・ケア/医療高度化の陥穽
2 ホスピスもなく、看護婦もなく
プライマリ・ヘルス・ケアとアルマ-アタ宣言/イリイチと近代医療の亀裂/岡村が見ていたもの
3 岡村昭彦と死の思想
死の奪還/岡村昭彦から考える
文献一覧
あとがき
人名リスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ばんだねいっぺい

14
死を奪還するためにできることはなんだろうか。2016/07/04

チェアー

7
面白いなあ、岡村昭彦。ベトナム戦争の報道写真家というイメージだったが、それ以外はまったく未知。それに経歴の面白さ!根っこにあるのは反権力性だ。気を許すと自分の中に侵入する権力性をいかに振り払って生きるかという観点から物事を見直す。だからホスピスも単なる末期患者の痛みを取る施設=死なせる施設、から一歩も二歩も進んで、「死を自分に奪還する施設」に措定されるわけだ。なんか現代を先取りした(現代でも実現不可能な)考えだったんだなあ。筆者が岡村の思想を消化し、わかりやすく書いていることで理解が助けられた。2016/05/25

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