岩波新書<br> ジェンダー史10講

個数:1
紙書籍版価格
¥1,056
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

岩波新書
ジェンダー史10講

  • 著者名:姫岡とし子
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 岩波書店(2024/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004320098

ファイル: /

内容説明

暗黙のうちに男性主体で語られてきた歴史は,女性史研究の長年の歩みと「ジェンダー」概念がもたらした認識転換によって,根本的に見直されている.史学史を振り返りつつ,家族・身体・政治・福祉・労働・戦争・植民地といったフィールドで女性史とジェンダー史が歴史の見方をいかに刷新してきたかを論じる,総合的入門書.

目次

はじめに
第1講 女性史研究の始動──世界と日本
1 先駆的な女性史研究
2 戦後の日本女性史研究
3 女性史研究の拠点としての地域女性史
第2講 第二波フェミニズムと新しい女性史
1 「新しい女性史」の誕生
2 「新しい女性史」は何をもたらしたか
3 「新しい女性史」の日本での受容
第3講 ジェンダー史
1 ジェンダー史の登場
2 ジェンダー史と構築主義歴史学
第4講 歴史叙述とジェンダー
1 歴史教育とジェンダー
2 ジェンダー視点は歴史叙述を変えたか
第5講 家族を歴史化する
1 家族に関する神話の崩壊と家族の歴史化
2 伝統社会における家
3 近代家族論の精緻化
4 近代家族の普遍化と揺らぎ
5 日本での家族史研究と女性・ジェンダーの視点
第6講 近代社会の編成基盤としてのジェンダー
1 身分制
2 近代的ジェンダー観の形成とその制度化
3 国民・ナショナリズムとジェンダー
第7講 身 体
1 身体は不変か?
2 性・生殖の歴史研究
3 L(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシャル)T(トランスジェンダー)
第8講 福 祉
1 福祉研究へのジェンダー視点の導入
2 福祉活動の出発点としての戦時福祉
3 福祉活動と女性の社会進出
第9講 労 働
1 働き続けてきた女たち
2 労働概念の転換と女性就業
3 労働と労働者のジェンダー化
4 女性労働者保護法とジェンダー・家族
第10講 植民地・戦争・レイシズム
1 植民地とジェンダー
2 戦争がもたらしたもの
3 戦争・占領と性暴力
図版出典一覧
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

16
【そもそも女性史は、価値自由とはいえない女性の視点を打ち出したからこそ、「中立」だとされていた従来の歴史学が男性に標準を合わせたものであることを明らかにできた】ドイツ・ジェンダー史の専門家が、女性史・ジェンダー史の軌跡とその成果を紹介した新書。巻末に、参考文献。<1.女性史・ジェンダー史の誕生の経緯とその展開を歴史学全体の変遷と絡めながら描き、2.女性史・ジェンダー史研究が、いかに歴史学の考察範囲を拡大し、歴史の見方を変え、歴史学に刷新をもたらしてきたかを、これまでの研究成果を述べながら示したい>と――⇒2024/04/27

さとうしん

14
取り上げる地域は近代以降の欧米、就中ドイツ、そして日本とほぼ限られているが、テーマは歴史教育、家族、労働、植民地・戦争・レイシズムといったように幅広い。フランス革命によって女性が政治に関与する幅が却って狭くなったこと、外交史などジェンダーとは無縁と考えられてきた領域でも新しい視点が提示されていること、ルイ14世の服装から見出せるジェンダー、一定不変と思われてきた男女の身体観の変化、女性参政権の実現が女性の戦争協力の直接的な帰結とはいえないこと等々、興味深い指摘が多々見られ、啓発性に富む書となっている。2024/02/25

電羊齋

8
ジェンダー史の手頃な入門書。第1〜3講では導入として、女性史・ジェンダー史の史学史としての概説が行われ、第4講以降では、歴史叙述と歴史教育、家族史、身体史、ナショナリズムと国民形成、軍事史、戦争、労働、福祉史、戦時性暴力などでの多岐にわたるジェンダー視点からの研究実践が紹介されている。個人的には、特に90年代以降の「新しい軍事史」におけるジェンダー史視点からの軍事史研究の紹介が興味深い。軍隊、戦争は「男性性」、「男らしさ」と国民形成と深い関係があることがわかり、ジェンダー史視点の重要性が理解できた。2024/03/08

田中峰和

7
第6章「近代社会の編成基盤としてのジェンダー」が面白い。ヨーロッパ近世では、イングランドのエリザベス1世、ハプスブルク家のマリア・テレジア、ロシアのエカチェリーナ2世など女性が支配者として君臨した。フランスのルイ14世は幼少期、母后が摂政となって政治を司っていたせいか、成人後の肖像画が女性以上に華美で笑える。長髪で華美なマントで身を包み、足はストッキングにハイヒール。貴族は戦う役割なのに、彼のファッションはジェンダーレスそのもの。その後、国民国家への移行により、王や貴族は軍服を着た。服装の変化も著しい。2024/03/23

空野とり

1
選挙権あってほんとによかった2024/03/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21788268
  • ご注意事項