レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

  • 著者名:毬矢まりえ【著】/森山恵【著】
  • 価格 ¥2,508(本体¥2,280)
  • 講談社(2024/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 660pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065345955

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内容説明

源氏物語はなぜ「世界文学」になったのか?千年前に紫式部が書き、百年前にアーサー・ウェイリーが英訳した「源氏物語」を現代日本語に再翻訳した著者が、時空を超えた物語の秘密と魅力を解きあかす。

高橋源一郎氏、推薦!
文学史に残る偉業、らせん訳「源氏物語」には、翻訳者姉妹による、もう一つの輝く「らせん」が埋めこまれていたのだ。
 
レディ・ムラサキとは、一体だれなのか?1925年、アーサー・ウェイリーによる初の英語版が刊行されて以来、世界各国に翻訳された「源氏物語」は、時代を超え国境を越え、中国古典からギリシャ・ローマ神話、聖書、シェイクスピア、プルーストやウルフらモダニズム文学、そして現代まで――。数多の異言語・異文化の波を潜り、「世界文学」として新たに生まれ変わった。千年前の古典原文、百年前の英語、現代日本語を往還しながら、『源氏物語』の〈らせん訳〉=トランスクリエーションを成し遂げた著者による、発見の喜びにみちた評論エッセイ!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

88
アーサー・ウェイリー訳「The Tale of Genji」を現代日本語に訳した「源氏物語 A・ウェイリー版」を読んでから、翻訳した姉妹の本を心待ちにしていた。1000年前に紫式部が書いた原文と100年前に英国で英訳されたものを現代語に訳すことを「らせん訳」と自ら名付けた。「いままで書かれた世界の作品のなかでニ指か三指に数えられる最大傑作のひとつ」とウェイリーが評した源氏物語を、姉妹は世界三十言語に訳された翻訳にも目配りしながら、ふたりとも全文を翻訳した。世界文学とは翻訳を通して豊かになる作品なのである。2024/04/18

rinakko

6
とても素晴らしかった。まず、〈らせん訳〉とは何ぞや…それは、A・ウェイリーが成した『源氏物語』の英語版から日本語に訳す〈戻し訳〉が、多層的時間空間を巻き込んでらせん状になる(直線的な翻訳ではない)ことから名づけられた。例えば、光源氏の“光”がシャイニングという単語に置き換わったとき、光源氏のこの世を越えた神々しさが、いつか月に帰るかぐや姫と同様なものとして伝わってくる(だから彼の色好みはゼウスのそれに近い、とか)。源氏物語の重層性(和歌の本歌取りや歴史書への言及など)に共鳴させるように、(続く)2024/04/15

バーニング

5
最近円地文子の『源氏物語私見』を再読したが、本書味方毬矢・森山姉妹による非常に情熱的な「源氏物語私見」だと言ってよい。もっと厳密に言うならば「ウェイリー訳源氏物語私見」と言ったところか。訳出を終えてのあとがきのように始まったエッセイが古今の多くの小説や研究を登場させながら本書は進んでゆく。まさに本書の構成こそらせん構造を持った魅力的な構成。またレディ・ムラサキが1000年後に蘇って世界中の翻訳や文学関係者一同を集めたお茶会を開いているかのように、当然読者もそこに招かれているかのように読める本でもあるのだ。2024/03/10

yumicomachi

4
この魅惑的な「茶会」に供されるのは源氏物語に影響を与え源氏物語から影響を受けた古今の文学作品。モダニズム期の英国で英訳されたウェイリー版とその現代日本語への「らせん訳」を話題の中心にしながらそれに留まらず、白居易から刀剣乱舞、ギリシャ神話、旧約聖書、シェイクスピア、プルースト、俵万智など綺羅星のごとき作者作品が響きあう。源氏物語を生の深みへ導く作品と信じて訳に取り組む著者姉妹の真摯な姿勢と深い教養に裏打ちされた感動の一冊。私は左右社のウェイリー版源氏を通読したが、未読でも楽しめるだろう。2024年2月刊。2024/03/23

三上 直樹

3
100年前にウェイリーによって英訳された『源氏物語』を日本語に再びらせん訳するという偉業を成し遂げた姉妹による源氏物語論。国文学者とは違う西洋文学の自由をまとった論考は、新たな視点を与えてくれました。2024/03/02

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