文春新書<br> 池田大作と創価学会 カリスマ亡き後の巨大宗教のゆくえ

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文春新書
池田大作と創価学会 カリスマ亡き後の巨大宗教のゆくえ

  • 著者名:小川寛大【著】
  • 価格 ¥1,001(本体¥910)
  • 文藝春秋(2024/02発売)
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  • ISBN:9784166614509

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内容説明

平和の使者か、俗物か?
誰よりも人の心をつかんだ男の魅力に迫る

日本最大の新宗教、創価学会の池田大作名誉会長が2023年11月15日に95歳で死去した。
創価学会内で「永遠の師匠」とされる池田は、さまざまな毀誉褒貶に彩られた人物だった。
「貧乏の横綱」と自嘲するほど赤貧の出身ではあったが、20代後半に創価学会に入信して人生が大きく変わる。1960年に32歳の若さで第3代創価学会会長に就任。以降、親しみやすい人柄と巧みな弁舌を武器に、「折伏大行進」の先頭に立って組織拡大に邁進し、会員世帯数827万(公称)もの信者を獲得するに至る。田中角栄をはじめとする政治家や松下幸之助ら実業家など、有力者も池田に魅了された。さらには公明党を創設し、念願の政界進出を果たした。
一方で、強引な折伏によって各地でトラブルが発生した。また、政教一致と受け取られかねない創価学会の主張は世論の大きな反発を招いた。池田は創価学会への批判を封じ込めようとして「言論出版妨害事件」を起こし、逆に世間から猛反発を招いたあげく、ついには政教一致路線を公式に撤回せざるを得なくなる。以降、創価学会は「世界平和」を掲げ、池田は「平和の使者」としての顔を前面に打ち出すようになった。
組織内の権力闘争も波紋を呼んだ。稀代のケンカ師でもある池田は、かつての仲間であっても、みずからを批判する者には容赦ない攻撃を加え、追放した。また、創価学会はもともと日蓮正宗の信徒団体から生まれたにもかかわらず、日蓮正宗とは泥沼の争いを繰り広げ、最終的に創価学会は破門されてしまう。
それでも創価学会は、池田のカリスマ性によって求心力を保ってきた。ポピュリズムを先取りした池田は「庶民の味方」として振る舞い、創価学会は次第に「池田ファンクラブ」の様相を呈して行く。
しかし2010年以降、高齢の池田は表舞台から姿を消してしまう。それ以降、創価学会は「集団指導体制」に移行し、池田の直接指導なしでも運営できる態勢になった。
だが、それと軌を一にするように、創価学会に異変が起きる。池田を軽んじ醒めた目で創価学会を見る宗教2世3世の増加、選挙活動における集票力の低下、さらには会員の高齢化……それらが組織力の低下に拍車をかけている。
池田大作とはいったい何だったのか? そして、ポスト池田の創価学会はどうなるのか――?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

岡本

68
Kindle。宗教問題編集長の著者による創価学会名誉会長池田大作の功罪と今後の展望を纏めた一冊。賛否両論あれど何も無い所から比例で約900万票を集め、20年以上与党の一角として存在感を発揮する組織を作り上げた人物である事は紛れもない事実。創価学会自体は同氏亡き後も劇的な変化は無いものの、宗教組織が一律に抱える緩やかな衰退を止める事はできるのか。2024/03/22

nonpono

22
2024年2月刊行。宗教について論じる気はない。単純に感想である。本書を読み、もう「元気だった」池田大作氏を見たことがない世代も出てきていることに、時代の流れを感じた。そして池田氏は宗教にありがちな、神秘体験やハンドパワーなどを使わなかったんですね。「現世利益」の追求と選挙ですね。電話がナンバーディスプレイになって良かったなと思うのは、営業電話や勧誘の電話がわかるようになったことですね。選挙関係もしかり。誰にいれようかは、わたしの自由。そして、「宗教2世」問題は間近で見てきたけど、あんな形で暴発するとは。2024/04/23

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

15
▼創価学会の歴史や'23年に池田大作氏が亡くなった後の創価学会の将来の姿の展望等が述べられている。▼著者は宗教専門雑誌の編集長ということで、創価学会の内情を深く理解している印象だ。▼公明党を支える選挙の取り組みが、組織引き締めの手段となっている事、池田氏のカリスマと現世利益のこだわりが信徒を結び付けており、教義を生活の土台としている信徒があまり存在しないこと等が特徴だという。なるほどと感じる。▼公明党が与党となって、穏健な組織になっているという点に共感した。そのまま穏健な組織であってほしいと感じた。2024/05/18

Gamemaker_K

11
この言い方が正しいとは思わないが、一企業みたいな感じになっちゃってるような気がしますね。・・・公明党は連立を切って野党になった方がいいと思うんだよな。2024/05/12

9
インターネットでは真偽不明なことが大仰に語られている中で、こうした書籍が出版してくれるのはとてもありがたいことである。一人のカリスマに率いられた組織の今昔。結果的に平和を唱え、結果的に政界へ進出することになり、結果的に与党となった。全力でなければたった一代で数百万の人間を束ねられることもできなかろう。傑物。だからこその、2010年代以降の表舞台からの退場、そして世間の変化によって混迷になってきてしまっているという締め。さて、カリスマなき未来はどうなるか。なかなか良い書籍です。2024/04/25

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