ちくま学芸文庫<br> 国家とはなにか

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ちくま学芸文庫
国家とはなにか

  • 著者名:萱野稔人【著者】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 筑摩書房(2024/03発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480512116

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内容説明

国家とはなにか、国家が存在しているとはどういうことか。こうした根本問題を透徹した思考で解き明かす。まず、国家を存立させ、その諸活動を生み出している根本要因とは何かが考察され、暴力をめぐる運動の中にそれがあることが見極められる。その上で、その根本要因からいかなる歴史的条件の下で現在のような国家のあり方が生み出されていったのかが論じられる。主権とはなにか、国民国家はいかにして形成されたのか、国家と資本主義はどのような関係にあるのか。こうした問題を一貫した視座から論じ切った記念碑的論考。

目次

イントロダクション/第一章 国家の概念規定/1 「物理的暴力行使の独占」──ウェーバーによる国家の定義/2 暴力の正当性と合法性/3 暴力の自己根拠化とヘゲモニー/4 「暴力の歴史の哲学」/第二章 暴力の組織化/1 秩序と支配の保証/2 服従の生産──権力と暴力/3 暴力と権力の規範的区別と機能的区別/4 権力による暴力の組織化と加工/5 手段をこえる暴力?/第三章 富の我有化と暴力/1 富の我有化と暴力の社会的機能/2 税の徴収の根拠/3 設立による国家と獲得による国家/4 所有・治安・安全/5 国家形態の規定要因と「国家なき社会」/第四章 方法的考察/1 国民国家批判の陥穽/2 国家・イデオロギー・主体──国家=フィクション論の誤謬(1)/3 国家と言説──国家=フィクション論の誤謬(2)/第五章 主権の成立/1 暴力をめぐる歴史的問題としての主権/2 近代以前の国家形態/3 暴力の独占と政治的なものの自律化/4 領土と国境/5 「大地のノモス」と世界の地図化/6 国境と領土による国家の脱人格化/第六章 国民国家の形成とナショナリズム/1 国民国家とナショナリズムの概念的区別/2 国家の暴力の「民主化」/3 神学的・経済的なものと国家のヘゲモニー/4 権力関係の脱人格化/5 主権的権力と生‐権力の結びつき/6 ナショナル・アイデンティティの構成/第七章 国家と資本主義/1 捕獲装置と資本主義/2 全体主義的縮減──国家の現在/3 脱領土化する国家/4 公理をめぐる闘争/あとがき/文庫版あとがき/解説 暴力なき国家はありうるのか 大竹弘二

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bevel

3
ドゥルーズ=ガタリの税や資本主義と国家のずれの議論に2005年に見てたの早いなとか。大竹氏の解説がよかった。暴力から国家を見る視点はダールと共通し、権利保障のリベラリズム的な国家理解と対立するとか。あとアレントの暴力(=道具)と権力(=合意の可能性)の区別の批判、権力による強制なき相互了解としての政治空間批判が眼目で、萱野氏の立場は力一元論だとか。踏み込みがもう一つ欲しいなと思ったのは、暴力の定義は行政と司法の一体性を想定してる気がしたけどうまくいくかなとか、自分が国家側に立ってるの想定されてないなとか。2023/11/25

kentaro mori

2
はじまりの一冊。本書→酒井隆史『暴力の哲学』→酒井隆史『自由論』2023/11/22

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