内容説明
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僕はよく、ものをもらう。モンゴルの絨毯、鹿の角、大家さんの柚子、あの人の言葉……。もらったものは買ったものより捨てにくいし、何かをもらうと何かをお返ししたくなる。なぜだろう? もう会えない誰かや目に見えない何かとも、“プレゼント”でつながれる――。『ぼくのお父さん』『マンガ ぼけ日和』の矢部太郎が贈る、新作コミック。 ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
218
お笑い芸人・矢部太郎さんのほのぼの漫画エッセイ集を初めて読みました。素朴なお人柄が滲み出ていて、とても良かったです。舞台のお芝居で失敗しても周囲の人が気遣ってくれて小道具のピストルを忘れてきて大勢の中で一人だけ手の指でピストルを構えると計算していない笑いで観客に受ける姿に矢部さんの人徳を感じますね。モンゴルの家族を東京の自宅に招くと寒いのにエアコンを16℃に下げてしまったり料理に砂糖を使わず塩を入れる習慣だったりと面白いですね。プレゼントを多くされる人柄を誇りに思うべきでしょうね。#NetGalleyJP2024/04/13
chimako
64
矢部太郎さんと出入りの本屋さんが懇意になさっていて、個展にお邪魔したことがある。テレビで観るままのお人柄。ちょっとよそ行きのお洋服でお話をしてくださったのはもう何年も前のこと。これはその矢部さんのお人柄そのものの一冊だった。物をいただく、さしあげる……何が用意してくださるだろうからこちらも用意する……なるべくなら好きなものを、役に立つものを、記念になるものを……考えて考えて。プレゼントするのが好きなのでドキッとするところもある。その人のことを思って選ぶけれど、やっぱり捨てられない。そこんとこだなぁ。2024/04/18
ぐうぐう
31
確かに、プレゼントをもらうとその人にプレゼントをあげたくなる。その人がもらうと嬉しいものはなんだろうと考えることが、社交辞令を超えて、その人を想うことになっている。そして気付く。その人もまた、自分のことを想いながらプレゼントを選んでくれたことに。作中、モンゴルのエピソードが印象的だ。モンゴルでは狼のくるぶしの骨が幸運のアイテムとされていて、それは買うものではなくて盗むものなのだという。盗まれた人も幸運がもたらされるのだ、と。(つづく)2024/04/07
Roko
29
矢部さんは、いろんなものをもらうことが多い人なのだそうです。この本の最後の方でいろいろなプレゼントをくれた人を思い出した中に、あの大家さんもいました。頂いたもののことよりも、それをプレゼントするときに「もらってくれるだけで嬉しいの」という大家さんの優しさ、それこそが本当のプレゼントなんだなって思うのです。わたしという人間はみなさんから頂いたプレゼントでできている、と思える矢部さんはステキな人だなぁ。#プレゼントでできている #NetGalleyJP2024/04/21
りらこ
26
有形無形を問わずのプレゼントについて、矢部太郎さんの語りは時に物悲しいけれども、ほのぼのとした中で鋭くもあり的確でもあり。矢部さんは他者を悪く言うことはなく、自分の失敗談を書いているけれど、あ、これ自分にも当てはまるよ!うわぁ、と読みながら思う私。良かれと思って相手に押し付けないようにしなきゃね。よくもらう人っているよね。うちの家の人がそうだわ。なんかさまざまなものを、よくいただいてくるの。さすがに最近は減ったけどね。2024/04/13